写真:gettyimages
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 苛烈な保活はいつまで続くのか。「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんは、19年10月施行の幼児教育無償化(保育無償化)の影響で、保育園利用率はさらに高まるという。

「保育園も幼稚園も無料となれば、預かり時間の長い保育園を利用して働こうと考える保護者は増えるでしょう。実際に先行した自治体でそうなっています」

 待機児童は減りつつあるが、解決にはほど遠いどころか、さらに保活が激化するというのだ。

 東京都は、待機児童対策の切り札として、今年12月以降にベビーシッター利用支援制度を始める予定だ。民間のベビーシッターの利用料は1時間あたり2千~3千円程度だが、都と市区町村の補助により1日8時間(月160時間)までは1時間250円に抑えられる。

 千代田区と豊島区には、すでに待機児童向けのベビーシッター制度がある。マンツーマン保育のよさの一方、注意点もある。

「毎日利用する場合、シッターは交替制です。入れ代わり立ち代わりシッターが来るのは、乳児期の愛着形成にとって好ましくありません。利用するならシッターの質をよく確認し、2~3人のチームで対応してほしいと頼むといい」(普光院さん)

 ほかの待機児童対策として、幼稚園の預かり保育も拡大中だ。幼稚園の標準教育時間は4時間だが、それを超えて17~18時まで子どもを預かる。ただし、認可保育園とは保育内容が異なる。

「夏休みや行事などで休みの多い幼稚園がありますし、3歳児以上は昼寝がなく、『帰宅したらバタンキュー』という話も聞きました。今年から、保育に欠ける2歳児を保育する幼稚園に国の補助金が出ていますが、有資格者は認可保育園の3分の1でいいという基準です。保育の質は十分に見極める必要があります」(同)

(ライター・越膳綾子)

※AERA 2018年10月29日号より抜粋