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米国のネットで拡散「Qアノン」現象 中間選挙は国内冷戦の様相

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山本大輔AERA#ドナルド・トランプ

11月の米中間選挙と大統領弾劾プロセス(AERA 2018年9月24日号より)

11月の米中間選挙と大統領弾劾プロセス(AERA 2018年9月24日号より)

写真:gettyimages

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 中間選挙に向けたCNNの独自調査(9月7日現在)では、全435議席(過半数218)が改選される下院で、民主党は203議席、共和党は202議席の獲得予測となっており、残りの30議席が接戦状態だ。上院(定数100)は今回改選される35議席のうち、現有の26議席を民主党が、9議席を共和党が守る選挙となり、そもそも民主党には圧倒的不利。全勝しても3分の2(67議席)には届かない。CNNによる議席獲得予測では、共和党7、民主党22、接戦6となっており、民主党は過半数に届くのも苦しい状況だ。

 相次ぐ内部告発や国内外の厳しい批判にあって四面楚歌(しめんそか)に見えるトランプ政権だが、CNNの調査を見る限り、逆風が中間選挙の結果予測には出ていない。むしろ、民主党の支持が伸び悩んでいるようにも見える。米ギャラップ社の世論調査で9月9日現在のトランプ大統領の支持率は40%、不支持率54%。就任から約1年8カ月の間、4割の国民はずっとトランプ大統領の岩盤支持者だ。ここに分断社会の実相が表れている。筆者とは大学時代から友人で、一貫してトランプ支持を続けるノースカロライナ州の会社員の米国人男性(45)が強調する。

「政治家も閣僚もメディアも司法もワシントンのエスタブリッシュメント(支配階級)を構成するエリートで、既得権益維持のために社会を独占してきた。一般庶民の感情や生活とは別世界の権力者だ。トランプ氏は、その外から誕生した我々庶民を体現できる大統領。そのトランプ氏が、いま支配階級に激しく反撃されている。彼を守ることは、我々の理想を守ることだ」

 内部告発や批判は、全てが支配階級の反撃の中のフェイクであって、逆にトランプ支持への結束を強めるだけ、というのだ。それが大きなうねりとなって出現したのが「Qアノン」現象。昨秋ごろからネットの匿名掲示板でQという人物が始めたトランプ支持の投稿が急速に拡散され、Qに共感するアノニマス(匿名の人)を意味する「Qアノン」という運動につながった。関連動画はネット上で10万件を超え、トランプ大統領もQアノンの存在を強く意識。中間選挙で民主党が勝てば、自身が弾劾される危険性などを訴えて、こうした支持者を鼓舞している。

 Qアノン共感者という前出の友人男性が語った言葉が、分断社会の深刻さを象徴していた。

「CNNなどの報道を疑うことなく信じて、全てを判断するのは支配階級側の人間。私はトランプ氏のツイッターの内容に心から共感できる。我々の考え方は永遠に交わらない。どちらが権力を維持して社会の中心にいられるかの戦い。国内冷戦なんだ」

(編集部・山本大輔)

AERA 2018年9月24日号より抜粋


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