サービスロボットはなぜ美しい女性?気鋭の豪アーティストが問いかける

桑原和久AERA
作品名「Occupation」。他にもフェムボットと実際の人間が老いについて語り合う映像など、未来的でファニーな作品を公開中。東京・東日本橋のギャラリー・ハシモトで6月23日(土)まで開催(協力:ハシモトアートオフィス)
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作品名「Occupation」。他に...

 オーストラリアのアーティスト、エレナ・ノックス氏の国内初となる個展が現在、東京で開催されている。展覧会は、美しい女性の外観を持つロボット、「フェムボット」が登場する六つの映像作品で構成されている。

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 作品に登場するロボットは、ロボット工学の権威、石黒浩氏と国際電気通信基礎技術研究所(ATR)により開発されたものだ。ノックス氏のこの作品群「アクトロイド・シリーズI」は、すでにイタリア、ドイツ、台湾、エジプトなど11カ国で部分的に公開されてきたが、今回の展示ではシリーズの全作品を一挙に観ることができる。

 個展のタイトル「THE FEMALE IS FUTURE(女性は未来である)」は「1972年にニューヨークで始まった有名なフェミニズムのスローガン、“The Future is Female”(未来は女性である)の語順を逆さまにしたもの」(ノックス氏)だ。元となったスローガンは「集団の意思決定における役割で、女性も含め誰もが排除されない、ある種のユートピア的社会を目指したもの」だったが、彼女はそれをあえて逆さにすることで、「ある意味では、女性のロボットは未来から来た存在だということを表現している」という。

「ロボットに対して人々は、未来的でニュートラルなイメージを持ちます。こちらも、ある種のユートピア的なものですね」。しかし、それはフェミニズムが描くユートピアとは違うかもしれない。技術の進歩で、今後人間が行う“補助的な仕事”の一部をサービスロボットが代替するだろう。

「サービスロボットは女性の外観をしている場合が多いのですが、それは、現在多くの補助的な仕事を女性が行っている私たちの社会を反映しています」

「Occupation」(職業)という作品では、ピンク色の髪の毛をしたフェムボットが、空港の入管施設内らしき場所で職業を書き込む書類を前に、“私は航空機のエンジニアになりたい。考古学者になりたい。建築家になりたい……”と語り出す。その様は、まるで人間界に転居してきた移民であるかのようだ。

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