(※写真はイメージ)
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子づくりのための性行為での悩み(AERA 2018年5月28日号より)
子づくりのための性行為での悩み(AERA 2018年5月28日号より)

 セックスの価値観の違いは、夫婦間のバランスを大きく崩す原因となりうる。妊娠、出産を経て、そのバランスが崩れてしまう夫婦も少なくない。

【調査結果】子づくりのためのアノ悩み 夫と妻の声は…

 性欲のバランスに折り合いがつかなかったばかりに、パートナーとの子づくりやセックスを諦めてしまったという人もいる。29歳の時、第1子妊娠を機に結婚したユウコさん(36)。夫は交際中からセックスに淡泊で、勇気を出して誘っても「今日は疲れている」「眠いから」。出産後は、夫のタイミングで年に2、3回あるかないかだ。

 人づきあいがうまく、家事にも協力的な「いい夫」。多少淡泊なのは、目をつぶれると思っていた。ただ、次第に、自分の中にモヤモヤがたまっていった。

 決定打となったのは、2人目の子づくりだ。子づくり自体には賛成だった夫。ユウコさんは排卵検査薬を使いタイミングを伝えた。でも、いざその日になると、夫は早く帰宅はするものの、何もせずに寝てしまうことも。そんな日が続き、「無駄だな」と検査をやめてしまった。

 以来、ユウコさんから誘うことはなくなった。夫とは会話も続くし、旅行も一緒に行く。ただ、手をつなぐこともない。「仲のいいお友達」だ。

 ユウコさんは、半年ほど前から同じく妻とのセックスレスに悩む同僚と不倫関係にある。月に1度、仕事終わりに食事をしてホテルに行く。恋人というより、何でも相談できる「信頼できる仕事のパートナー」だという。家庭を壊すことは互いに望んでいない。むしろ不倫が始まってから夫に対する不満は減った。「罪悪感は?」と聞くと、「ないですね」ときっぱり。

「私にとって、セックスで得られる安心感は人生の大事な部分なんです。それがかなう場所を、なくしたくない」(ユウコさん)

 一方、アヤさん(42)は夫の強すぎる性欲と、出産を機に変わってしまった夫婦の関係性に悩んでいる。

 深夜に夫が寝室に近づいてくる気配を感じると、アヤさんはさっと布団をかぶり、寝たふりをする。隙あらばセックスに誘う夫を避けるためだ。仕事と育児で疲れている、と断ると「勇気を出したのに」と激しく凹むか、「なんで?」と怒りだす。

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