日本の幼稚園でカルチャーショック!? “考える力”が圧倒的に低い日本の姿 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本の幼稚園でカルチャーショック!? “考える力”が圧倒的に低い日本の姿

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2020年度から始まる大学入学共通テストの試行調査では、国語の問3で完全正答率がわずか0.7%。「資料を読み解いたり形式的に記述する訓練が不十分」とする専門家も(撮影/写真部・片山菜緒子)

2020年度から始まる大学入学共通テストの試行調査では、国語の問3で完全正答率がわずか0.7%。「資料を読み解いたり形式的に記述する訓練が不十分」とする専門家も(撮影/写真部・片山菜緒子)

 語彙力不足から「話が通じない」人が現れたり、ネット上の記事には論旨から外れたコメントが散見されたり。現代人の「言葉の理解不足」はあらゆるところで見られる。

もし、私たちが言葉の理解を以前よりなおざりにしているとしたら、どこに原因があるのか。

 東京大学教授で英文学者の阿部公彦さんは、「致し方ない面もある」と語る。

「つまりは情報過多なんです。脳のキャパシティーには限界があり、あえて情報を単純化して受け取って、脳が自己防衛をしているのかもしれません」

 ツイッターやLINEで、短い言葉で素早く発信することに慣れた。短文での情報のやりとりは、情報を単純化すれば、便利で効率的になる。

「産業革命後、人間に求められるスキルは、職人的な技能から機械を適切に操作する注意力に変わりました。言葉も、ボタンを押すか押さないかというレベルで、簡単に扱っているのでは」(阿部さん)

 文字群を目にすると、人は反射的にこう思う。この長い文章は、つまりはどういうことか。いいか、悪いか、敵か、味方か。白黒はっきりつけてほしい。

「そんなふうに言葉を単純化して理解すれば、言葉と直結する人の考えそのものも単純化する恐れがあります。事実かどうか検証したり、意味を考えたりすることから遠ざかっているのかもしれません」(同)

 ただし、実際の物事は複雑で、そうそう白黒はつけられない。それなのに、白黒ついていると錯覚しているから、考える時間や理論を組み立てる時間が減っている。

 問題は当然生じる。

 杏林大学教授で言語学者の金田一秀穂さんが、学生たちに尋ねたときのことだ。

「1日と24時間は同じ長さなのに、『1日置き』と『24時間置き』では時間の長さに差が出るでしょ。どうしてだと思う?」

 学生たちは考えるのではなく、口々に無邪気に尋ねた。

「先生、ヒント!」
「答えは?」
「教えてー!」

 金田一さんは苦笑する。

「自分で考えるということを、あまり楽しめないみたいですね。ググれば答えはあるから、知っている人がいるから、考える必要はないと思っている。人生は自分で考えて決めなければいけないことばかりですけど」(金田一さん)


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