泣かない息子を産んだ妻…風見しんごが明かす亡き2人の子への思い (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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泣かない息子を産んだ妻…風見しんごが明かす亡き2人の子への思い

深澤友紀AERA
かざみ・しんご/1962年、広島県出身。萩本欽一に見いだされて82年に芸能界デビュー。歌手・荒井晶子と結婚。2007年1月に交通事故で長女のえみるさん(享年10)を亡くし、命の大切さについて講演活動を続けている(撮影/写真部・小原雄輝)

かざみ・しんご/1962年、広島県出身。萩本欽一に見いだされて82年に芸能界デビュー。歌手・荒井晶子と結婚。2007年1月に交通事故で長女のえみるさん(享年10)を亡くし、命の大切さについて講演活動を続けている(撮影/写真部・小原雄輝)

 ただ、えみるのこともあり、次女のふみねにはこれ以上何かを背負わせたくない。だから、僕と妻が死んだあと、ふみねがこころとしっかり生きていけるようにしてやらないといけないと思っていました。たとえば僕が店を開いて、2人に技術をしっかり教えてあげれば生きていけるかな、と考えたりね。

 不安があったからこそ、毎日考えるわけです。気がつくと、事故の日以来、初めて真剣に未来のことを考えていた。えみるの死後、一時は「人生どうでもいいや」と思っていた自分が、「人生どうにかしなきゃ」という思いになっていました。きっとうつむいてばかりいた僕たちに、天国のえみるが「前を向いて」と背中を押すためにこころを授けてくれたと思うんです。いつのまにか家族全員が、未来に向かって歩いていました。

 ダウン症のお子さんを持つ親御さんにも会いましたが、「障害ではなく個性」と口をそろえ、みなさん明るく強く育てていらっしゃった。「僕たちも強くならなければいけないな」と前を向くことができた。きっとこころが、みなさんと出会わせてくれたのでしょう。こころは、僕らを強くして、そっと空にかえっていきました。

 今でも家族の中に悲しみのほうが大きく広がってしまうときもあります。でも、今は人生は死んだときで終わりじゃないと思えるからがんばれる。僕は死んだ後、天国でえみるとこころに会って、たくさんお土産話をしてあげたい。そして、2人に「がんばったね」と言ってもらいたい。亡くなった2人が、僕の生きる力になってくれているんです。(構成/編集部・深澤友紀)

AERA 2018年4月9日号


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