「年収200万円台」非常勤文系講師の困窮 正規教員との格差に“健康被害”も (1/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「年収200万円台」非常勤文系講師の困窮 正規教員との格差に“健康被害”も

このエントリーをはてなブックマークに追加
渡辺豪AERA#働き方

「社会保険なし」が3分の1(AERA 2018年2月26日号より)

「社会保険なし」が3分の1(AERA 2018年2月26日号より)

 同じ博士課程を修了した人でも、文系(人文・社会科学系)と理系で様相が異なる。科学技術・学術政策研究所の博士課程修了1年半後の人材追跡調査によると、文系は理系と比べて所得が低く、年収300万円未満が多いことが浮かび上がる。

 同研究所は報告書で非常勤を含む講師について「生活が維持できる程の自立した職業とはなっていない可能性」も記す。

 関西で大学非常勤講師を務める50代のシングル女性は、生きざまを映す鏡のような部屋で暮らしていた。

 壁際にびっしり並ぶ書物。本だらけの床は足の踏み場もない。「獣道を歩くみたい」に本の断層のわきから2匹のネコが顔を出す。女性は自嘲気味に苦笑しながら、こう話した。

「常勤の勤務先が見つからないまま、ズルズルきてしまいました。大学に自分の研究室があれば、もう少し整理できるとは思うんですが……」

 大学は正規教員に個室の研究室を提供するが、非常勤講師に用意されるのは共用控室だ。思想・社会学を専攻する女性が非常勤講師を始めたのは大学院博士課程1回生のとき。過去4回、大学教員の公募で最終選考まで進んだが、40代半ばで正規の道を断念した。女性は言う。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

   働き方 をもっと見る
このエントリーをはてなブックマークに追加