こうした悲劇を招かないよう、万一に備えパスワードなどは紙で保管しておくことを古田さんは勧める。だが、人によっては知られたくない秘密や、見られたくないデータもある。そんな人のために、大切なデータを家族に残しつつ、隠したいデータを削除してくれるソフトもある。

 パソコンソフトのダウンロードサイト「ベクター」や「窓の杜」などで配布されている「僕が死んだら…」というフリーソフトは、[僕が死んだら…]という名前のファイルを遺族がクリックすると、あらかじめ指定したデータが消去され、遺族へのメッセージが開くという仕組みだ。また、パソコンの最終起動から一定期間たった場合などに、自動で指定したファイルを削除できる「死後の世界」というソフトもある。

 グーグルを使う人なら「アカウント無効化管理ツール」を活用できる。一定期間アクセスがないと、Gmailやグーグルドライブなど関連サービスの全データを削除するよう設定できる。ただし、ソフトはキャッシュやバックアップ先など関連する全フォルダを指定する必要があり、無効化される前に見られる可能性もあるなど完璧ではない。

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