親や友人に言えない悩みや愚痴は新規アカウントをつくりツイートすることで解消してきた。ノートやメモに書くのとは違い、発言した達成感があるからだ。

「タイムラインって流れていくものだし、誰かに読まれているという意識はないんです。でも今回の事件みたいに反応してくれる人がいたらうれしいと思っちゃうかも」(女子生徒)

 今後もツイッターの利用を控える気はないという。

 保護者や周囲の人間にできる対策はあるのか。ツイッターのパートナーサービスにもなっており、月1万人が利用する10代のための相談・検索サイト「Mex(ミークス)」を運営する認定NPO法人「3keys(スリーキーズ)」の森山誉恵代表は、

「自殺にかかわるツイッターは規制は必要ですが、10代が本音を吐き出せる唯一の場所になっているのも事実。過剰に利用を制限すれば、かえって孤立感が高まる危険があります」

 と指摘する。保護者や教諭らは自殺願望を打ち明けられても、心配や責任感から話を聞くよりも「指導」したくなるが、それは良くない。まずは子どもたちの声をそのまま受け止めること、信頼に裏打ちされた関係性を築くことが大切だ。異変を感じたら経験豊富な専門家や支援団体につないでほしいという。同時に「子どもの自己責任論にしてはいけない」と、被害者である子どもや若者にだけネットリテラシーを求めるような空気にも警鐘を鳴らす。

 本当に必要なのは、加害者になり得る大人がSNSを悪用しないための規制だろう。

(編集部・竹下郁子)

AERA 2017年11月20日号