状況が変わったのは、16年卒の就活からだ。

 経団連が「採用選考に関する指針」を定め、採用スケジュールが大幅に後ろ倒しになったことから、インターンを活用してできるだけ早期に学生と接触しようとする企業が増加した。17年卒では「インターンから内定に結びついた」という先輩の話を聞きつけた学生の間で参加熱が高まった。

 さらに今年4月、経団連が、それまでの「5日以上」という縛りをなくし、1日限りの「ワンデーインターン」を解禁したことでフィーバーに拍車がかかった。

 結果、19年卒向けにインターンを実施する企業の数は昨年の1.7倍に膨れあがり、4年前の3倍にあたる2万8千社にまで達している。夏休みだけではなく、秋や冬に実施する企業も大幅に増えている。

 採用直結なのかどうか

 学生たちの心理的プレッシャーも高まっている。

 千葉大学理学部3年の女子学生(20)は言う。

「出遅れが怖い。理系でも大学院に進まない人はほぼ全員がインターンに行ってます。特に大手を目指すなら必須だと聞くので、焦ってます」

 焦るのは企業も同じ。大手ではワンデーを頻繁に実施し、大学1、2年生にまで対象を広げる動きも目立つ。中小企業は学生の関心がますます大企業に集中することに警戒感を強める。中小企業会員が多い東京商工会議所は9月初旬にハンドブックを発行。短期間でも学生にアピールするプログラムの実施ノウハウを盛り込むなど必死だ。(編集部・石臥薫子)

AERA 2017年10月16日号より抜粋