辻氏の選挙区は衆院東京2区。前回選挙では、次点の中山義活氏(民主党・当時)に4万5千票以上の差をつけて圧勝した。だが、今年7月に「一票の格差の是正」を図るために改正公職選挙法が施行され、現行295選挙区が「0増6減」の289選挙区に。区割りも見直され、19都道府県、97選挙区に影響が及ぶ。辻氏の東京2区は台東区の約3分の1が東京14区(荒川区・墨田区)となり、代わりに東京1区の一部(港区の一部)が編入される。辻氏の地盤が強い台東区が割れることで、選挙は混戦となる可能性が高い。

「区割り変更で、約7万人が出て、約3万3千人が来る。プラスではないが、1区や14区の自民党議員と連携して党全体で戦えれば、マイナスの影響は少ないはず。私は同期が外遊に行っている間でも地元を回ってきた。これから慌てて何かするのではなく、今までの積み重ねを結果として出したい」(辻氏)

●区割り見直しに当惑

 小田原氏の東京21区では、昭島市全域が25区へ移り、国立市全域、八王子、多摩、稲城各市の一部がそれぞれ編入される。その影響は小さくない。

「約15万人が新しい有権者に変わります。区割りを周知しないと、9割の方が投票日当日まで候補者が変わったことを知らなかった、ということもあり得ます」(小田原氏)

 衆院解散は「首相の専権事項」とされ、過去にもさまざまなタイミングで解散総選挙が行われてきた(63ページ表)。だが、首都大学東京の木村草太教授(憲法学)は「今までの解散とは違う」と指摘する。

「野党は6月に憲法53条にもとづき臨時国会の早期召集を求めましたが、3カ月が経過して臨時国会の冒頭解散という報道が出てきた。少数派の意見を国会に取り入れるという憲法53条の趣旨を没却しています」

次のページ