アエラがネットを通じて行ったアンケートでアマゾンのイメージをたずねると、「合理的でスマート」などと共に、「少し強引」「上から目線」などの声が寄せられた(撮影/編集部・片桐圭子)
アエラがネットを通じて行ったアンケートでアマゾンのイメージをたずねると、「合理的でスマート」などと共に、「少し強引」「上から目線」などの声が寄せられた(撮影/編集部・片桐圭子)

 2000年に本のECサイトとして日本に上陸したアマゾン。いまやあらゆるものを扱い、他の追随を許さない巨大ECサイトに成長した。一方で、アエラが行ったアンケートでは、回答した137人のうち「アマゾンを使っている」と答えた人が96%。同時に、「できれば使いたくない」と答えた人が44%もいた。拡大の原動力は。便利なのに不安にさせるものの正体は。AERA 2017年7月24日号では「アマゾン」を大特集。

 便利に使っているのに、なぜか「こんなに使ってしまっていいのか」と不安になる。そんなアンビバレントな存在がアマゾンだ。どう付き合えばいいのか。京都大学デザイン学ユニット特定教授の川上浩司氏に話を聞いた。

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 約20年間、大学で「不便益」を研究しています。不便の効用を活用することで、新しいシステム構築を目指しています。

 アマゾンのサービスは確かに「便利」です。私も使います。本を買えばレコメンドが来て、自分好みの読むべき本を示してくれる。ダッシュボタンを押せば、それだけで商品を届けてくれる。ただ、ここで考えるべきは、私たち消費者が主体的に「選択」できているかどうかということ。無意識的に「選ばされている」危険性もあるからです。

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