「新規に建設される霊園の半分とまではいきませんが、ペット可とする霊園は多くなっている」

 東京・三田にある魚籃寺は、いち早くペット可としたお寺だ。

「ご本尊の魚籃観音菩薩は文字通り魚籃(魚を入れる籠)を持つ観音様。動物と縁があったことに加え、檀家さんから『ペットと一緒に入りたい』という要望があったため、30年ほど前からペットのご供養もさせてもらうようになり、今では数十体の遺骨が檀家さんのお墓に入っています」(山田智之住職)

 中には、別のお寺の檀家だった人が、ペットと一緒に入りたい一心で“引っ越し”するケースもあるという。ただ、ペットと一緒に埋葬してもらうには、当然お金もかかる点には注意を。

「永代供養料は墓地・霊園によってピンキリ。代々管理されているお墓がペット可で、そちらに埋葬される場合は、墓石に名前を彫る加工代が3万~5万円。さらに2万~3万円の埋葬料がかかるのが一般的です」(新美氏)

 過去には何十匹もペットを飼っていた家族が、先祖代々受け継ぐお墓への埋葬を希望し、墓石がペットの名前で埋まってしまった例もあったという。

(ジャーナリスト・田茂井治)

AERA 2017年6月12日号