なぜ「おネエ」ばかりがテレビで持て囃されるのか? (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

なぜ「おネエ」ばかりがテレビで持て囃されるのか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
福井洋平AERA
福岡市・警固公園で開催されたLGBTについて知り、多様な性について考えてもらうイベント「多様な性にYES!の日 やっぱ愛ダホ!in福岡2017」で。こうした催しは全国各地で開かれるようになった(撮影/写真部・高井正彦)

福岡市・警固公園で開催されたLGBTについて知り、多様な性について考えてもらうイベント「多様な性にYES!の日 やっぱ愛ダホ!in福岡2017」で。こうした催しは全国各地で開かれるようになった(撮影/写真部・高井正彦)

 レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字をとってLGBT。性的マイノリティーを表現するために生まれ、定着しつつある言葉だ。しかし、本当にまっすぐ理解されているのだろうか。LGBTとひとくくりにすることで周知は進む一方、さまざまな思いや抱える悩み、課題など、一人ひとりの「個」が塗りつぶされてはいないか。雑誌AERA6月12日号のテーマは「LGBTフレンドリーという幻想」。全編を通してLGBTの現実に迫る。20ページ近いの総力特集の中から、LGBTをメディアがどう扱ってきたかを取材した「おネエしかいらない」を紹介する。

*  *  *
 2000年代初頭にテレビでトランスジェンダーをカミングアウトしたタレントで振付師のKABA.ちゃん(47)は昨年、タイで性別適合手術を受けて女性の体になった。帰国後、メディア関係者の一言に耳を疑った。

「扱いづらくなった、という人もいるみたいです」

 いわゆる「おネエ」キャラ時代なら胸をもんだりしてもよかったけど、女性になったらやりづらい、らしい。そんな仕事は前から引き受けていないのだが、KABA.ちゃんは言う。

「まだメディアでの(LGBTの)扱いには『壁』があると感じましたね」

 KABA.ちゃんやマツコ・デラックスさんをはじめ、今やLGBTの人たちをテレビで見ない日はない。また、かつてのような「ホモセクシュアル=気持ち悪い」といった明らかに差別的な扱いは影を潜めた。日本民間放送連盟(民放連)の放送基準を見ると、「性的少数者を取り上げる場合は、その人権に十分配慮する」と記されており、解説書には「『ホモの見分け方』コーナー」や「『こわくて行けない場所』というタイトルで、隠しカメラで撮影したホモセクシュアルのキスシーンなどを流す」といった内容が問題視されたと紹介されている。

●過剰な女っぽさ強調

 LGBTに詳しい東京表参道法律事務所の寺原真希子弁護士は、「00年代初めの頃は『この女性たちの中で本当は男の人がいますが誰でしょう』といった企画がまだ平気で放送されていました」と言うが、15年に米国で同性婚を容認する連邦最高裁判決が下され、東京都渋谷区で同性パートナーシップ条例が施行されてLGBTが一種のブームになってからは、「配慮が少しずつ進んできています」と分析する。

 16年のヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主人公の同僚がゲイだったりと、かつてはキワモノ、あるいは悲劇的に扱われてきたLGBTの人たちがドラマなどにごく普通に登場するようにもなった。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

関連記事関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい