「伏魔殿」とも称される都庁。職員は何を思い、本音はどこにあるのか(撮影/写真部・長谷川唯)
「伏魔殿」とも称される都庁。職員は何を思い、本音はどこにあるのか(撮影/写真部・長谷川唯)

 4年間で4人目の長を迎えた都庁。華々しい“小池劇場”が繰り出す物語の展開を、首都の守り人たちはどんな思いで見つめているのか。職員の声を聞いた。

──小池知事就任から3カ月。仕事ぶりをどう見るか

Aさん(50代男性):判断はまだ早い。いろいろ知事の動向が取り上げられているが、具体的な考え方は予算に反映されると考えるのが妥当では。

Bさん(40代男性):直接接触がないので本当のところは分からないが、何か良いほうに変わるという期待感という意味では、大きな成果をあげていると思う。

Cさん(40代女性):就任から休みなく働き、マスコミを使って、いわゆる小池劇場を演出する手法は率直にすごいと思う。知事主導で短期間に求心力が形成されつつある。まずまずの滑り出しでは。正直、職員には厳しいことも多いが……。

Dさん(40代女性):就任後すぐ、管理職はみな「イクボス(部下や同僚のワーク・ライフ・バランスを重視する上司)宣言」を出させられた。今まで各部署への知事からの指示は少なかったので驚いた。どの分野にも切り込んでくるのでは。それが知事の独裁になるか、都政を自然な形で変えていくのか興味はある。

Cさん:都政改革組織を作り、外部の専門家を活用する手法は石原知事の1期目と似ている。ただ、職員は信頼されていない印象。大事な決定など、一切職員が入らず決まるとの話も聞く。

──小池知事は「都政改革」を強調。必要性はあると思うか

Aさん:最も必要なのは閉鎖性の打破。身内だけでまとまると、内部の論理を優先しがちになる。

Bさん:直接都民と接触しない職場がほとんど。都民ファーストの切り口から、業務を見直すことには意義がある。

Cさん:面倒な仕事、所管の決まっていない仕事を避ける傾向が目立ってきている印象はある。これが組織の最大の弱点では。

Eさん(40代女性) 日常業務の課題としては、中途半端な電子化による業務の煩雑化。導入したシステムがあっても使いこなせていない。結局紙で資料を作成して、結果をシステム登録するなどの無駄が横行している。

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