マイノリティーの心描く映画「ハイヒール革命!」 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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マイノリティーの心描く映画「ハイヒール革命!」

田沢竜次AERA
「ハイヒール革命!」監督:古波津陽 出演:真境名ナツキ、濱田龍臣ほか。大阪・シネ・リーブル梅田、愛知・ミッドランドスクエアシネマほかで公開中 (c)2016「ハイヒール革命!」製作委員会

「ハイヒール革命!」監督:古波津陽 出演:真境名ナツキ、濱田龍臣ほか。大阪・シネ・リーブル梅田、愛知・ミッドランドスクエアシネマほかで公開中 (c)2016「ハイヒール革命!」製作委員会

「中学は暗黒時代だった。定時制高校行くときも同じ学校だしと思っていたの。ところが、ヤンキーからおたくまで、いろんなやつがいるし、バイトも自由に選んで、たばこも自己責任、本当に解放されましたね。クラスメートの女子とは今でも付き合っています」

 後半で登場するパートナーのヒカルさんは、女性から男性へ転換した。彼は中高と女子校で学ランを着たかったのだという。

 二人が会話をすると、モトの性とイマの性が交差する様子が見えてくるが、そもそも「性同一性障害」という枠組みでは見えない、性の多様なありようがよく分かる。

 なぜタイトルが「ハイヒール革命!」なのか。

「子どもの頃から女の人がハイヒールはいている姿にあこがれてた。私にとってはハイヒールをはくことが女になるって気持ちだった。もっとも最初はつんのめって大変だったけど……」

 とナツキは語る。

 ナツキの中・高時代を演じた濱田龍臣は、大河ドラマ「龍馬伝」の子役で注目され、今ではイケメンの美少年。公開初日の舞台挨拶では、女子の制服姿で登場して喝采を浴びた。ナツキにしてみれば「彼が私を演じるなんて夢みたいで、友達に連絡したら『嘘~全然似てない』と言われて」との驚きようだが、濱田自身の役への入り方も無理がなく、作品に溶け込んでいる。

 ナツキが尊敬する先輩のメリンダさんが映画の中で語るセリフがきいている。

「私たちはオカマでもニューハーフでもない、ヒューマンよ」

 マイノリティーの心意気がこの映画を輝かせている。(ライター・田沢竜次)

AERA 2016年10月10日号


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