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【ニッポンの課長】日本紙パルプ商事「出版業界支える紙の力」

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日本紙パルプ商事「出版業界支える紙の力」日本紙パルプ商事 新聞・出版営業本部 出版一部 出版三課課長 藤嶋章人(45)撮影/写真部・外山俊樹

日本紙パルプ商事
「出版業界支える紙の力」

日本紙パルプ商事 新聞・出版営業本部 出版一部 出版三課
課長 藤嶋章人(45)
撮影/写真部・外山俊樹

 アエラにて好評連載中の「ニッポンの課長」。

 現場を駆けずりまわって、マネジメントもやる。部下と上司の間に立って、仕事をやりとげる。それが「課長」だ。

 あの企業の課長はどんな現場で、何に取り組んでいるのか。彼らの現場を取材をした。

 今回は日本紙パルプ商事の「ニッポンの課長」を紹介する。

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*  *  *
■日本紙パルプ商事 新聞・出版営業本部 出版一部 出版三課 課長 藤嶋章人(45)

 私たちに何ができるのだろう。2011年3月11日の東日本大震災。日に日に大きくなっていく被害を見ながら、誰もがそんな思いを胸に抱いていたことだろう。出版社はすぐに、震災関連の雑誌や書籍を緊急出版しようと動き出した。しかし直後、難しいかもしれない、との情報が駆け巡る。東北地方には出版社向けの紙の工場が多く、大きな被害を受けていた。紙が用意できないかもしれない、と。

 出版できるのか、できないのか。藤嶋章人は、紙を確保するために駆けずり回った。東北がダメでも、西日本にある他のメーカーから入手できないか。同時に、紙を運ぶトラックの手配もしなくてはならない。

「こんなことをしている場合なのか、と悩む人もいました。けれども、この震災は紙で残さないといけないんだと、出版社さんのこだわりが強かった。その思いに応えたかった」

 やがて、書店には大震災を記録する数多くの雑誌や、防災のための書籍が並んだ。藤嶋は、この時期に予定されたすべての担当出版物の紙を遅れずに供給した。

「日頃から、私たちはメーカーさんとの関係を強固にして、お客様が必要としているものを察知したらとにかく行動していた。それが、強みになったかもしれません」

 成蹊大学経済学部卒業後、1993年に入社。仕入部を経て、2000年に新聞・出版営業本部に異動。以降16年間、営業マンとして、担当する出版社への紙の安定供給を始め、編集者やデザイナーが求めているイメージに近い紙の提案や、急な出版物にも対応できるように必要な紙を切らさないなどの心配りをしている。現職に就いたのは震災の年。6人の部下を率いる。

「管理職になったのと、異動と震災とが同じタイミングで、大変でした」

 ネットが発達し、本は売れない時代とされる。けれども、まだまだやりようはあるはずだ。出版界の「縁の下の力持ち」は、紙の力を信じている。

(文中敬称略)

※本稿登場課長の所属や年齢は掲載時のものです

(編集部・大川恵実)

AERA 2016年5月30日号


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