食べ放題・飲み放題より時代は聴き放題・見放題。「定額制」はエンタメ活性化のカギになるのか?(写真はイメージ)
食べ放題・飲み放題より時代は聴き放題・見放題。「定額制」はエンタメ活性化のカギになるのか?(写真はイメージ)

 食べ放題・飲み放題より時代は聴き放題・見放題。エンタメ業界活性化の鍵になるのは、今年登場した様々な「定額制」かもしれない。

 月額数百円から2千円程度で、パソコン、タブレット、スマホなどで好きなだけ音楽を聴いたり、映画やドラマを楽しめたりする「定額制」サービスが今年、続々登場した。音楽や動画などエンタメ系コンテンツの新たな楽しみ方が広がりはじめた一年だった。

 CDの売り上げが伸び悩み、日本の音楽市場は縮小を続けている。一方、拡大に転じている国では、背景にSpotifyなど定額音楽配信サービスの普及があるようだ。アップルなど海外勢の日本参入が囁かれるなか、今年5月、他社に先駆けて定額制サービスを始めたのが、AWAだった。小野哲太郎取締役は、

「日本には音楽ストリーミングサービス市場を牽引するリーダーがいない。エイベックスと一緒に組むことで、日本の音楽消費スタイルに合ったサービスを市場に根付かせることができるのではないか」と意気込む。

 6月にはLINEミュージックが始動。LINEアカウントを利用して、アーティスト自身がプロモーションできるのが強みだ。続いて、7月にアップルミュージック、9月にグーグルプレイミュージック、11月にアマゾンプライムミュージックがそれぞれサービスを開始。音楽をストリーミングで楽しむ新時代の環境は整った。その将来に日本のアーティストやレコード会社の一部はまだ懐疑的なようだが、定額制をめぐる日本勢と海外勢の混戦模様が、日本の音楽市場をどう活性化していくかは見ものだ。

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