一方、動画に関しても、世界50カ国の約6200万人が利用する米ネットフリックスが9月に上陸。「黒船到来」と話題になった。数あるサービスの中で勝ち抜くには、ファンが離れないオリジナリティーのあるコンテンツを持てるかが鍵。ネットフリックスは、ネット配信初のエミー賞受賞作「ハウス・オブ・カード野望の階段」や、来春には芥川賞受賞作の映像化作品「火花」も独占配信するという。一方、NTTドコモが展開するdTVは、動画本数が12万と圧倒的に多いのが売り。期間限定で「スター・ウォーズ」エピソード1~6の独占配信を行っている。

「動画配信サービスの便利な点のひとつは、移動中はスマホで、料理をしながら続きをタブレットで、ソファでくつろぎながらテレビで、と見たいときに自由にデバイスを替えられるところ」(ネットフリックスPR担当・中島啓子さん)

 究極のオンデマンドというわけだ。

 ICT総研は、2014年末の有料動画配信定額制サービス利用者は420万人だったが、16年末には740万人に拡大すると予測する。定額制は低料金なのでユーザーは併用しやすい。多くの企業が参入すれば、そのぶんエンタメ市場も広がると、各社は期待を寄せている。

AERA  2015年12月21日号より抜粋