9月11日にユニクロ銀座店で行われたイベント。イネス(中央)らしいセンスが光る着こなしアレンジに集まった女性たちは釘付け(写真:ユニクロ提供)
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9月11日にユニクロ銀座店で行われたイベント。イネス(中央)らしいセンスが光る着こなしアレンジに集まった女性たちは釘付け(写真:ユニクロ提供)

 ジル・サンダーやアンダーカバーなど、これまで人気ブランドとのコラボ商品を発表してきたユニクロ。そんなコラボ商品のなかでも2014年春夏シーズンから“ユニ女”たちの絶大な支持を得ているのが、パリジャン・シックの世界的代名詞と言われるイネス・ド・ラ・フレサンジュとの特別コレクションシリーズだ。

 4回目となる今季コレクションのテーマは、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールの映画のワンシーンを切り取ったかのようなクラシカルなスタイル。ベーシックでありながら、ジャケットの袖口を折り返すと違う柄の裏地がのぞいたり、ジャケットにベルトをすることで表情に変化をつけられたり。イネスならではの遊び心が効いている。

「“女性らしさ”の表現も男性目線ではなくて、女性自身がそう感じられる瞬間を大切に作っています。胸ボタンをひとつ多く開ける、結んでいた髪をほどく。その“ほっ”と自分が解放された瞬間こそ魅力的なのだとイネスは言います」(滝沢さん)

 イネスは、1983年から90年までシャネルのデザイナーであるカール・ラガーフェルドのミューズとして活躍。これまでに多くの一流デザイナーたちと仕事をし、たくさんの服に袖を通してきたいわば「着る側のプロ」だ。普段から、ラグジュアリーブランドのバッグや洋服に合わせて、ユニクロや蚤(のみ)の市で手に入れた小物などをミックスしてコーディネートするのが得意だという。

 日本では“プチプラ”のイメージのあるユニクロだが、ファッションの本場では、高級ブランドと一緒にファッションアイコンのコーディネートに取り入れられている。

「サンローランにもエルメスにも違和感なく合わせられるのは、ユニクロがファッションではなく、プロダクト=『ファッションの部品』として認められたから。いわば、ヘインズの白Tシャツやリーバイスの501のような存在です」(滝沢さん)

AERA 2015年10月12日号より抜粋