売上を下げる努力もする?「絶対に右肩上がりしない店」 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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売上を下げる努力もする?「絶対に右肩上がりしない店」

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バー店主高坂勝さん(44)主宰するNPO「SOSA Project」では、農作業を通じて自立する取っかかりを作り出すことを目的にしている(撮影/工藤隆太郎)

バー店主
高坂勝
さん(44)
主宰するNPO「SOSA Project」では、農作業を通じて自立する取っかかりを作り出すことを目的にしている(撮影/工藤隆太郎)

 年収、出世、周囲からの評価…。上には上がいて、抜けられない競争ジレンマ。ならば、あえて「拡大しない」ことを選択する手もある。

 14席の小さな店。靴を脱いで入るので、客の滞在時間が長い。つまり、回転率が悪い。メニュー表は4枚しかないので機会損失もあるだろう。店員は雇わずすべての仕事を一人でこなす。

 店の名前は、「たまにはTSUKIでも眺めましょ」。11年前、高坂(こうさか)勝さん(44)が東京・池袋に開店したオーガニックバーだ。

 コンセプトは、「絶対に右肩上がりしない店」。自分がどんな暮らしをしたいのか。そのためにいくら必要か。高坂さんは店を開いた34歳当時、その金額を月20万円と決めた。そこから逆算した売り上げは月60万。これ以上は儲ける必要がないので、この基準値を上回ったときは、下げるために営業日を週5日から4日に減らし、メニューも減らした

 飲食店経営の常識から一見ズレているようだが、滞在時間が長いのは居心地がいいからだし、メニューを回覧しあう客どうしで会話が生まれることもある。客の満足度は高く、黒字経営が続いている。

「経済成長を追い求めてうまくいく時代ではない。アップしようがないなら、逆手にとって、価値観を転換するほうが幸せに生きられる」


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