子どもへの虐待事件があとを絶たない。虐待は心はもちろん、脳にも深い傷痕を残すことが分かってきた。

厚生労働省によると、児童養護施設に入所する子どもは約2万9900人(2013年2月時点)。そのうち59.5%が虐待を受けていた。内訳はネグレクト(育児放棄)が63.7%ともっとも多く、身体的虐待(42%)、心理的虐待(21%)、性的虐待(4.1%)と続く。

子どもの時に受けた虐待が、その後の発達にどう影響するのか。福井大学教授の友田明美さん(小児発達学)の研究が注目されている。

 03年からの9年間、友田さんは米ハーバード大学と共同で、虐待と脳の関係を研究した。米国に住む18~25歳の約1500人を集め、その中から幼少期に虐待を受けた経験のある人とない人を対象に、知能検査と磁気共鳴断層撮影(MRI)検査を実施。虐待によって脳が傷つくこと、虐待のタイプによって傷つく部位が次の4パターンに分かれることを明らかにした。

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