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イラク小児ガン患者 日本のチョコで救える命

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2014年4月、イラク・アルビルのナナカリー病院で、イマーンさんはバラの花の絵を描いた。このときの絵が下の写真の缶(手前)になった(撮影/佐藤真紀)

2014年4月、イラク・アルビルのナナカリー病院で、イマーンさんはバラの花の絵を描いた。このときの絵が下の写真の缶(手前)になった(撮影/佐藤真紀)

ネットなら、4缶1セット(2000円、送料別)から申し込める。1月18日には、JIM-NETの鎌田實代表理事ら出演のイベント「いのちの花 朗読と音楽のつどい」も開催。申し込みと詳細はhttp://jim-net.org/まで(撮影/写真部・加藤夏子)

ネットなら、4缶1セット(2000円、送料別)から申し込める。1月18日には、JIM-NETの鎌田實代表理事ら出演のイベント「いのちの花 朗読と音楽のつどい」も開催。申し込みと詳細はhttp://jim-net.org/まで(撮影/写真部・加藤夏子)

 戦争で使われた劣化ウラン弾などの影響で増えたとされる小児がんを患うイラクの子どもたち。チョコレートを通じて彼らの治療費を支える活動「チョコ募金」が、今年10年目を迎えた。

 薄いブルーの地に、ピンクのバラの花がひとつ。輪郭がところどころにじんでいるのは、イマーンさん(当時12)が時折ペンを止めたからだ。目の前のバラの花をじっと見つめていた。大腸がんの末期だった。

 2カ月後の2014年6月、自分の絵が印刷された缶を手にして、ベッドでほほ笑んだ。その1カ月後、彼女は旅立ったという。

 1口500円の募金でチョコレートを1缶プレゼント。イラクの小児がん患者たちを救おうと始まった「チョコ募金」がこの冬、10年目を迎えた。缶はすっぽり手に収まるサイズ。子どもたちが描いた絵が印刷され、チョコを味わったあとも手元に残る。毎年12月1日に受け付けが始まり、主にバレンタイン用のチョコとして、イラクの子どもたちと日本をつないできた。

 イラク戦争をきっかけに04年に設立された日本イラク医療支援ネットワーク(JIM―NET)。あいつぐ戦争で使われた劣化ウラン弾などの影響で増えたとみられる、小児がん患者を支援してきた。

 市販のチョコに子どもの絵のカードをつけて募金を呼びかけたのが06年。数百個と思っていたら、申し込みは5千個にのぼった。2回目からは北海道の老舗菓子メーカー六花亭がチョコを原価で提供してくれることになり、その後、丸い缶にハート型のチョコ10個を入れるようになった。募金の件数は増え続け、現在は生産上限の16万個のチョコ缶を用意している。

 募金はイラクの主要4病院に届けられ、小児がんの治療に使う医薬品の約3割を賄っているという。だが、課題もある。

 復興はもともと進んでいなかったのだが、イスラム国の台頭で、病気の子どもを取り巻く環境はますます悪化。東日本大震災以降、海外に関心が向きにくく、JIM―NETへの寄付の総額は2千万円以上目減りした。急激な円安も、運営を圧迫する。

「状況全体を見ると気が滅入ります。でも、小児がんはきちんと治療すれば80%は治るといわれています。戦争がなければ助かったであろう命を一つでも救いたい」

 事務局長の佐藤真紀さん(53)はそう話す。

AERA 2015年1月19日号より抜粋


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