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エアバッグ「凶器」に 一方で鈍いタカタの反応

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米議会下院の公聴会に臨むタカタの清水博バイスプレジデント(左から2人目)や自動車メーカーの幹部/12月3日、ワシントン (c)朝日新聞社 

米議会下院の公聴会に臨むタカタの清水博バイスプレジデント(左から2人目)や自動車メーカーの幹部/12月3日、ワシントン (c)朝日新聞社 

 車のエアバッグで命を落とすことは、考えたくない悪夢。米国民の怒りに自動車各社は戦々恐々とするが、タカタの対応は鈍い。

「殺傷事件に見えたが、タカタのエアバッグが殺人者だった」

 米紙ニューヨーク・タイムズの見出しには、問題の不可解さや恐怖が込められていた。自動車部品大手「タカタ」のエアバッグの品質問題を指摘する10月20日の記事は、こう始まる。

「ヒエン・トランは自動車事故の後、集中治療を受けながら、死の瀬戸際にいた。同時に刑事たちは、彼女の首にある明らかに突き刺されたとみえる傷の原因が何なのか突き止めようとしていた」

 フロリダ州オーランド在住のヒエンさんは、車を運転中に交通事故に遭い、首の傷が原因で10月2日に死亡した。1週間後、ホンダから一通の手紙が届いた。手紙は、エアバッグが破裂する恐れがあるため、彼女の赤いアコードを修理するよう促していた。

 保安官事務所は、“凶器”がエアバッグだろうと言った。運転者の命を守るはずのエア
バッグが、命を奪う。しかも、被害者はヒエンさんのほかに、少なくとも4人いるとされる。

 米国で問題視されているのは、タカタの対応だ。同社は今夏、異常な破裂の原因は、高温多湿の可能性があるという見解を示した。このため、タカタと自動車メーカーは、地域ごとにリコールを進めた。しかし、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は、地域限定では不十分として、タカタ製エアバッグ搭載車についてリコールを全米に拡大するよう求めた。

「運転者とその家族を守るためにも、運転者の誰もが車を修理することを確実なものにしたい」とNHTSAのデビッド・J・フリードマン局長代行。

 しかし、タカタは12月11日現在、この要請に応じていない。それどころか、当局に書簡を送り、現在入手可能なデータでは、高温多湿以外に異常破裂の原因を特定できない、としている。

AERA 2014年12月22日号より抜粋


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