約束がほごに? 中国企業とのやりとりで必須の「護身符」 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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約束がほごに? 中国企業とのやりとりで必須の「護身符」

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AERA#中国

 日本と中国の間で交わされる「暗黙の了解」が、近年崩壊しつつある。急な条件や制度の変更に、われわれ日本企業はどのように対応すべきなのか。

 例えば、突然のルール変更にはこんなケースがある。太平洋セメントが現地企業との合弁で中国・南京につくった工場が、昨年8月に突然、南京市から今年限りの閉鎖を求められた。太平洋セメント側は驚いたが、南京市の言い分は「我々は二酸化硫黄の排出量を大幅に削減したい。環境貢献度も低いセメント工場や製鉄所は要らない」。

 同社以外にも200社が廃止候補に名指しされた。現在、同社は南京市と交渉中だが、翻意させるには至っていない。

 中国・山東省のある市で、日本の素材会社が市政府の誘致で用地も確保してもらって進出した後、さあ着工というところで「地下鉄を引くので別の場所を探してほしい」。陳情しても頼りにしていた副市長は転出しており、誰も助けてくれなかった。

 難しいのは、ルール変更の多くは不条理な理由だけで行われるわけではないところだ。最近の中国では中央の方針で環境保護や労働者保護の動きが強まり、企業側に不利になる傾向にある。

 みずほ銀行中国営業推進部の武澤弘貴次長は「中国の諸政策は調整期に入っており、制度やルールの変更がリスクの一つと認識すべきだ」と話す。

「日本と比べ、中国は変更が突然でアクションが速く、日本企業は面食らってしまう。アンテナを張り、変更の情報をつかんだら早めに準備するべきだ」

 また、中国経験が長い日本人経営者はこうアドバイスする。

「中国側から『こういう条件で進出に合意しました』という念書を取ること。暗黙の了解はほごにされると打つ手がない。念書が企業の護身符です」

AERA 2014年6月9日号より抜粋


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