就活よりも結婚活動! 疲弊する雇均法第一世代に引いた若年層が飛びつく(撮影/写真部・松永卓也)
就活よりも結婚活動! 疲弊する雇均法第一世代に引いた若年層が飛びつく(撮影/写真部・松永卓也)

 今やすっかり定着した婚活という言葉。最近では学生のうちから意識する女性もいるようだ。

 結婚するにも会社選びのように努力が必要──。そんな風潮を「婚活」と最初に名づけたのは実はアエラ。2007年11月5日号「結婚したいなら“婚活”のススメ」に登場した元テレビ局勤務の女性(当時33)の発言が元になった。

「人生を考えれば、就職活動よりむしろ結婚活動のほうが大事だと思うんですよね」

 夜中12時スタートの合コンに化粧を直して日参するなど、1年間で約60人の男性と見合いや合コンで会った。27歳で3歳上の男性と結婚、転職した。

「いつか結婚するもの」と思っているだけでは結婚できない、高スペック男性を手に入れるならなおさら……というテーマは予想以上に女性の心をつかみ、その後婚活イベントなど新しいサービスも生まれた。

 このブームの裏には、世代による女性の結婚観の格差が潜んでいた。「40代vs.20代の婚活闘争」(09年5月4日号)では、大学生のうちに結婚を予定している女性(当時22)のこんな発言を紹介している。

〈美人で仕事もできる知り合いの外資系勤務の独身女性(43)は普段凛としているのに、彼に別れを切り出された時、すがりついていた。「私が独身でアラフォーを迎えたら、彼女から美人だけを取り除いたようなもの。考えただけで恐怖です」〉

 プライベートを犠牲にしても職場の一線で戦ってきた雇均法第一世代は時に「負け犬」呼ばわりされ、その後もどうしても幸せそうに見えない。そんな姿を目の当たりにしてきた若年層世代が「婚活」に走った。マーケティングライターの牛窪恵さんは若い女性の結婚相手への条件を「三平」と名付けた。

「『平均的な年収』『平凡な外見』『平穏な性格』を備えた男性と、共働きでよいから安定した生活を送りたい、と願っています」

AERA 2014年1月20日号より抜粋