テレビで芸能人が「恋人や妻の行動を管理するのは愛」と訴え、ゲームやアニメに相手を好きすぎて病的に束縛するキャラクター「ヤンデレ」が存在することを挙げ、「相手を束縛するのは一つの愛情表現、と若年層に誤った知識を与えている」と警鐘を鳴らす。

 実際に統計でも2005年以降、10代のストーカー加害者は右肩上がりで増えている。バーチャルな出会いを端緒に事件も起きている。昨年夏、神奈川県内で近畿地方在住の男子生徒(15)が元交際相手の自宅前で、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕された。2人の出会いの場はツイッターだった。約1カ月の遠距離交際の後に別れを切り出され、復縁を求めて彼女の自宅前に来たところ、事前に相談を受けていた神奈川県警に取り押さえられた。

 フェイスブック、LINE、ツイッターなどで24時間相手を縛りつけ、恋愛感情を一気に募らせる一方、相手から返信がなくなったら「戻ってきて。戻ってこないと死ぬ」「殺して一緒に死ぬ」などとエスカレート。こうした事態は親が気づかないうちに子供の手中のスマホ上で一気に進む。

AERA 2014年1月20日号より抜粋