センター試験も迫り、今年の高3は例年にない緊張感に包まれている。「ゆとり教育」の最後の世代だ。入試内容も来年からは様変わりするため、今年がラストチャンスと危機感を募らせている。(編集部 本田修一)

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 1月18、19日は大学入試センター試験。約56万人が出願し、国公立はもとより、ほとんどの私立大学(521の4年制大学、142の短大)も導入しているため、今ほとんどの受験生は最後の追い込みの時期だ。

 受験生の緊張感は例年と同じように厳しいが、現役の高校3年生には、より大きなプレッシャーがかかっている。

「周りから言われなくても、自分たちが『ゆとり世代』で、1学年下が『脱ゆとり』というのは分かっています。私たちに比べて後輩は勉強の負担も大きそうだったし、早めに部活を引退した子もいました」(都内の中高一貫校の高3の女子生徒)

●入れるところに入ろう

 そのとおり、1995年度に生まれた今の高3生は「ゆとり教育」の最後の世代なのだ。

「現行の出題範囲のセンター試験も今回が最後です。来年からは出題範囲が広がって負担が増える。1年だけ経過措置があるんですが、今の高3生が浪人すると、ライバルは勉強量の多い脱ゆとり世代です。高3生にとっては、志望校に挑戦するか、ランクを下げて確実に受かる大学にするか思案のしどころ。生徒には、本当に行きたい大学に行ってほしいのですが」

 都内の中高一貫校の教諭がそう漏らすように、いわば「現役の壁」が、高3生や親、高校関係者を悩ませている。受験雑誌も、

「15年度入試は数学・理科が新課程対応の出題に変わる! 現行課程最後の14年度入試で、“現役合格”をめざそう!」

 とあおる。

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