東京大学藤原帰一教授のゼミでは、質問を積み重ねて論文を読み解くトレーニングを積む。「批判をするだけでなく、自分だったらどうするかという視点を持つように指導しています」(藤原教授) (撮影/柿崎明子)
東京大学
藤原帰一教授のゼミでは、質問を積み重ねて論文を読み解くトレーニングを積む。「批判をするだけでなく、自分だったらどうするかという視点を持つように指導しています」(藤原教授) (撮影/柿崎明子)

 まだまだ厳しい就職戦線。一流大学でも人気があるのは、就職に強いゼミだ。

 東京大学の本郷キャンパスでは、毎週金曜日の午後4時40分から、法学政治学研究科の藤原帰一教授がゼミ「国際政治演習」を開講している。期間は4月から9月の半期で、例年、大学3、4年生と院生合わせて10~15人が参加している。

 ゼミでは、徹底的に論文を読むトレーニングを積む。学生は4班に分かれて、英語の論文を読む。論文のテーマは「国際政治におけるリベラリズム」「東アジアにおける経済と軍事」など。学部生は院生に教わることができるし、院生はリーダーシップを学べる。

 ゼミの前に各班でレジュメを作り、提出。当日はそれぞれの班が10分ずつ発表をする。発表後、藤原教授が学生に繰り返し質問をする。これが授業のキモだ。

「執筆者はこの論文で、どういう問題に答えたいのだろうか」
「論文の未完成な部分はどこか」

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