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注目の技術「卵子凍結」は何個するのが妥当?

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 結婚年齢の上昇や高齢出産の増加を背景に、近年「卵子凍結」が注目を浴びている。この卵子凍結について、生殖工学博士・桑山正成さんは次のように話す。

*  *  *
 世界最大級の不妊治療の専門施設である加藤レディスクリニック(東京都新宿区)に勤務している時、40歳前後の女性たちが成果の出ない治療を続けて苦しむ姿を多く見ました。老化した卵子は、医療技術ではどうしようもない。若いうちに卵子を凍結保存しておけば、苦しむ女性を減らせる。そのために独立して研究機関を立ち上げました。

 私が1999年に開発した「ガラス化保存法」を用いた卵子凍結のやり方では、成熟した未受精卵子を膣壁から注射器で吸引し、液体窒素の中で半永久的に保存できます。卵子が赤ちゃんになる確率は10分の1程度なので、10~15個を凍結しておけば、健康な赤ちゃんを産む確率をかなり高めることが可能です。

 日本では、がん患者が治療の影響で不妊になることを防ぐために、未婚であっても治療前に卵子凍結することは、日本産科婦人科学会の臨床研究として事実上実施を認められています。それなのに、健康な未婚女性の卵子凍結については何のガイドラインもなく、一般的に普及していない。高齢不妊の予防として卵子保存を行うクリニックも限られているし、技術にも差がある。この現状を変えなければなりません。

 キャリアを積む女性が増えてきた現代に、高齢出産が増えるのは当然です。技術があって、その技術を使えば、多くの女性を幸せにできるのに、それをさせないのは、旧来の男社会が女性の活躍を阻もうとしているからとしか思えません。卵子凍結で自然妊娠に悪影響が出るわけではありません。海外では当たり前に使われている予防医療技術で、ガラス化保存法は世界中で100万症例以上実施され、数えきれないほどの健康な赤ちゃんが誕生している。日本の未婚女性にも広く認められるべきです。

AERA 2013年8月5日号


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