5月号今野敏の軌跡――作家生活40周年特別企画 TOKAGEシリーズの魅力に迫る書評家 村上貴史 (1/2) |AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

5月号
今野敏の軌跡――作家生活40周年特別企画 TOKAGEシリーズの魅力に迫る
書評家 村上貴史

バックナンバー

このエントリーをはてなブックマークに追加

TOKAGE

今野敏著

978-4022645296

amazonamazon.co.jp

 SIT――警視庁刑事部捜査第一課の特殊犯捜査係をこう呼ぶことが多い。Special Investigation Teamの略だとされているが、当初は捜査(S)一課(I)特殊犯(T)だったという。それを大使館に赴任していたキャリアが勘違いして、現在のSITの略になったそうだ。

 という知識は、今野敏の『TOKAGE 特殊遊撃捜査隊』からの受け売りだ。1978年にデビューした今野敏は、88年から30年にわたって警察小説を書き続けてきた作家で、チーム捜査を描く《安積班》シリーズや警察庁のキャリア官僚を中心に据えた《隠蔽捜査》シリーズなど、人気の警察小説シリーズをいくつも有している。そんな我が国警察小説界の第一人者が2008年に開始したのが、《TOKAGE》シリーズだ。

 トカゲとは警視庁刑事部でバイクの運転技術に長けていて、なおかつ捜査感覚に優れている者から構成されるバイク部隊であり、いざというときに招集される。犯人確保に関わるというより、指揮本部や捜査本部の目として耳として、あるいはアンテナとして機能することが求められる。

 そのトカゲの一人であり、SITの一員である32歳の上野一馬巡査長が、このシリーズの中心人物である。彼とコンビを組んで活躍するのが、やはりトカゲのメンバーであり、二歳年下だがSITでは先輩の白石涼子だ。周囲からも有能さを認められた先輩である。


(更新 2018/5/ 1 )


バックナンバー

コラム一覧

続きを読む

このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい