一冊の本

1月号<br>仙台大学体育学部准教授 藪 耕太郎 Yabu Kotaro<br>怪しくも蠱惑的な柔術の海外伝播史へのトビラ

1月号
仙台大学体育学部准教授 藪 耕太郎 Yabu Kotaro
怪しくも蠱惑的な柔術の海外伝播史へのトビラ

『柔術狂時代――20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺』朝日選書より発売中 僕が初めて海外で出版された柔術教本に出合ったのは、修士(博士前期課程)の2年のときだった。読んだのは、K・サイトウ

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  • 1月号<br>東京大学文学部准教授 古田徹也 Furuta Tetsuya<br><言葉を大切にする>とは何をすることなのか

    1月号
    東京大学文学部准教授 古田徹也 Furuta Tetsuya
    <言葉を大切にする>とは何をすることなのか

    『いつもの言葉を哲学する』朝日新書より発売中 いま、社会で言葉が雑に扱われている。言葉が軽んじられている。――これは常套句のようによく指摘されることですが、確かに、そう実感せざるをえない場面を、私たち

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  • 12月号<br>書評家 菊池 仁 Kikuchi Megumi<br>作者の成熟が窺える傑作

    12月号
    書評家 菊池 仁 Kikuchi Megumi
    作者の成熟が窺える傑作

    『御坊日々(ごぼうにちにち)』 畠中 恵 著朝日新聞出版より発売中 本書には作者の新しい面を探る楽しみが詰まっている。中でも最大の楽しみは、舞台設定にどんな妙手を打ってくるか、と題材の選定にどんな新機

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  • 12月号<br>詩人・小説家 小池昌代 Koike Masayo<br>無のダンスを踊るかんのん

    12月号
    詩人・小説家 小池昌代 Koike Masayo
    無のダンスを踊るかんのん

    『いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経』 伊藤比呂美 著朝日新聞出版より発売中 タイトルも、小さなお経のようだ。すぐさま声に出し唱えてみたくなる。いつか死ぬ、それまで生きる――これはわたしたちの合

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  • 12月号<br>軽井沢朗読館館長/元NHKアナウンサー 青木裕子 Aoki Yuko<br>死別の悲しみをなぐさめてくれる一冊

    12月号
    軽井沢朗読館館長/元NHKアナウンサー 青木裕子 Aoki Yuko
    死別の悲しみをなぐさめてくれる一冊

    『月夜の森の梟(ふくろう)』 小池真理子 著朝日新聞出版より発売中「月夜の森の梟」は小池真理子さんが夫の藤田宜永さんを亡くされた「死別体験」がテーマのエッセイで、新聞連載中すみずみまで読んだ。それも二

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  • 11月号<br>中国現代史研究者 柴田哲雄 Shibata Tetsuo<br>スパイのヒーローと鬼のボス、そして国家安全省

    11月号
    中国現代史研究者 柴田哲雄 Shibata Tetsuo
    スパイのヒーローと鬼のボス、そして国家安全省

    『諜報と謀略の中国現代史――国家安全省の指導者にみる権力闘争』朝日選書より発売中 日中戦争期に活躍した中国共産党の情報機関の指導者・潘漢年の名を初めて知ったのは、1997年秋のことだ。当時、私は2年弱

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  • 11月号<br>歴史家・文学博士 安藤優一郎 Ando Yuichiro<br>農民も町民も、女性までも物見遊山へ!

    11月号
    歴史家・文学博士 安藤優一郎 Ando Yuichiro
    農民も町民も、女性までも物見遊山へ!

    『江戸の旅行の裏事情――大名・将軍・庶民それぞれのお楽しみ』朝日新書より発売中 昨年来のコロナ禍により世界経済は大打撃を受けたが、旅行業界などはその筆頭格だろう。 しかし、九月末をもって緊急事態宣言が

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この人と一緒に考える

  • 11月号<br>書評家 若林踏 Wakabayashi Fumi<br>「少し先の未来」を巡る、第一級の娯楽小説

    11月号
    書評家 若林踏 Wakabayashi Fumi
    「少し先の未来」を巡る、第一級の娯楽小説

    『ペッパーズ・ゴースト』 伊坂幸太郎著朝日新聞出版より発売中 読めば未来の見方が少しだけ変わるかもしれない小説だ。 中学の国語教師である檀千郷は、ある不思議な力を持っていた。その力とは、他人の未来を少

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  • 10月号<br>作家・ジャーナリスト 河合雅司 Kawai Masashi<br>人口を追えば未来は見えてくる

    10月号
    作家・ジャーナリスト 河合雅司 Kawai Masashi
    人口を追えば未来は見えてくる

    『世界100年カレンダー 少子高齢化する地球でこれから起きること』朝日新書より発売中 爆発的に増えてきた世界人口が、どうやら21世紀中に減少に転じるらしい。 事実ならば、人類絶滅へのカウントダウンが始

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  • 10月号<br>文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu<br>宇喜多直家という武将を通じて現代日本を活写する

    10月号
    文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu
    宇喜多直家という武将を通じて現代日本を活写する

    『涅槃 上・下』垣根涼介 著朝日新聞出版より発売中 誰だ。この男は、いったい誰だ。垣根涼介の歴史小説『涅槃』を読んでいて、何度もそう思った。なぜなら主人公の宇喜多直家が、従来の人物像と違っているからだ

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  • 9月号<br>大東文化大学准教授 藤井誠一郎 Fujii Seiichiro<br>今こそ清掃事業について理解を深めていく時

    9月号
    大東文化大学准教授 藤井誠一郎 Fujii Seiichiro
    今こそ清掃事業について理解を深めていく時

    『ごみ収集とまちづくり 清掃の現場から考える地方自治』朝日選書より発売中 私は2015年に45歳で学者に転身し、2016年から清掃行政の研究を始めた。清掃車に乗務され廃棄物行政を研究された早稲田大学の

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  • 9月号<br>教育研究者・俳優 山崎聡一郎 Yamasaki Soichiro<br>『こども六法』著者が、執筆を拒んだいじめ体験を明かした理由

    9月号
    教育研究者・俳優 山崎聡一郎 Yamasaki Soichiro
    『こども六法』著者が、執筆を拒んだいじめ体験を明かした理由

    『10代の君に伝えたい 学校で悩むぼくが見つけた 未来を切りひらく思考』朝日新聞出版より発売中 ドイツの宰相ビスマルクが残した「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉があります。私の書いた『こ

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  • 8月号<br>翻訳者 山岡由美 Yamaoka Yumi<br> 世界の“空前”に満ちた海賊の歴史

    8月号
    翻訳者 山岡由美 Yamaoka Yumi
    世界の“空前”に満ちた海賊の歴史

    『世界を変えた「海賊」の物語 海賊王ヘンリー・エヴリーとグローバル資本主義の誕生』朝日新聞出版より発売中 1695年9月初旬、インド洋。メッカ巡礼からの帰路にあったムガル皇帝アウラングゼーブ所有の宝物

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この話題を考える

  • 8月号<br>料理研究家 長尾智子Nagao Tomoko<br> 料理の時間を過ごすあなたに

    8月号
    料理研究家 長尾智子Nagao Tomoko
    料理の時間を過ごすあなたに

    『料理の時間』朝日新聞出版より発売中 アエラスタイルマガジンで何年も続けていた連載が、『料理の時間』という一冊にまとまりました。元のタイトルは「料理の言葉」。料理と向き合うための、料理することに自分な

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  • 7月号<br>国文学者 星 瑞穂 Hoshi Mizuho<br>たのしい地獄の歩き方

    7月号
    国文学者 星 瑞穂 Hoshi Mizuho
    たのしい地獄の歩き方

    『ようこそ地獄、奇妙な地獄』朝日選書より発売中 初めて大学の教壇に立ったのが2013年。以来、ずっと筆者を悩ませている問題が「いかに学生に古典文学に関心を持ってもらうか」である。就職活動になりふり構っ

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  • 7月号<br>作家・フランス文学研究者 荻野アンナ Ogino Annna<br>潜水艦と百七十歳の海女

    7月号
    作家・フランス文学研究者 荻野アンナ Ogino Annna
    潜水艦と百七十歳の海女

    『姉の島』 村田喜代子 著朝日新聞出版より発売中『姉の島』を読み終わったところだ。主人公は八十五歳の海女である。しかし海女の語りから浮かび上がってくる圧倒的な存在は海で、読んでいるとページをめくる指が

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  • 6月号<br>文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu<br>こんな時代に、読者の心を癒やす一冊

    6月号
    文芸評論家 細谷正充 Hosoya Masamitsu
    こんな時代に、読者の心を癒やす一冊

    『なみだ――朝日文庫時代小説アンソロジー』朝日文庫より6月7日発売予定 いきなり断言しよう。アンソロジーとは、幕の内弁当である。説明するまでもないだろうが、幕の内弁当は、主食となる白飯と、数種類の副食

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  • 6月号<br>派遣添乗員 梅村 達 Umemura Tatsu<br>「ザ・ナマケモノ」の上出来な巣ごもり執筆生活

    6月号
    派遣添乗員 梅村 達 Umemura Tatsu
    「ザ・ナマケモノ」の上出来な巣ごもり執筆生活

    『旅行業界グラグラ日誌』朝日新書より発売中 人生というのは、片道切符の旅である。同じ駅のホームに、二度と立つことはない。 だから10代や20代の喉がかわいて仕方ない夏の季節が、再びめぐって来ることもな

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  • 6月号<br>ライター 吉田大助 Yoshida Daisuke<br>自由意志と運命論の関係の先に待つ「共に生きよう」の思想

    6月号
    ライター 吉田大助 Yoshida Daisuke
    自由意志と運命論の関係の先に待つ「共に生きよう」の思想

    『カード師』 中村文則著朝日新聞出版より発売中 ドストエフスキーが『罪と罰』と同年(1866年)に発表した長編小説『賭博者』は、ドイツの架空の街ルーレッテンブルグを舞台に、ルーレット賭博によって身を滅

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