「今日はいい日和ですね」

「赤ちゃんはいたずら好きなのでたまゆらも目が離せません」



  この文章にはある共通点があります。それは"大和言葉"が使われているということ。"日和"は"天気"、"たまゆら"は"一瞬"を表す大和言葉です(なお、"天気"や"一瞬"は漢語です)。



  大和言葉の特徴は、品よく、優しい点にあると言われています。実際声に出してみるとたしかにやわらかい雰囲気があり、味わい深さも感じられれます。



  本書『美しい「大和言葉」の言いまわし』ではそんな大和言葉のなかから日常で使えるものを場面ごとに選び、つかい方を解説しています。



  まずは《相手をたしなめる大和言葉》の章から1つご紹介。新入社員の部下が、しわ付きのシャツに寝ぐせ頭で出社してきたような場面ではこんな風に注意してあげるとよいそう。



「今日はずいぶんとしどけない姿だね。」



"しどけない"とは格好が乱れていてだらしない状態を意味します。「今日はだらしがないね」と言うよりも、とげとげしさがやわらぐ印象になります。



  そして《人柄を表す大和言葉》の章では普段我々が良く耳にする"奥ゆかしい"という言葉も紹介されています。



「『最近は奥ゆかしい女性にお目にかかる機会がなくなった』などと愚痴をこぼす男性が増えているそうです。しかし「奥ゆかしい」とはどのような女性でしょうか? 控えめな態度をとり、従順な女性でしょうか? もしそうだとしたら、『奥ゆかしい』の意味を間違えています」(本書より)



「奥ゆかしい」とは「奥行くし」と書き、「行くし」は知りたい、という意味だそう。つまりこの人の奥にあるものをもっと知りたい、さらに深いこころづかいになんとなく心惹かれるということを意味します。今まで誤用していた方も多いのではないでしょうか? この機会に正しい意味を心に留めておきましょう。



  本書では上記で紹介したことば以外にも、日常生活に潤いを与える大和言葉が多数紹介されています。是非 大和言葉の魅力を再認識し、普段づかいで活用してみてはいかがでしょう。