■Case2 減築でコンパクトに暮らす


(東京都・Yさん邸、木造一戸建て・築53年、工事価格・約1500万円、施工・住友不動産)

 リフォームで新築のようになったのがYさんのお宅である。

(週刊朝日 2019年2月22日号より)
(週刊朝日 2019年2月22日号より)

「夫婦ふたりなので、コンパクトに暮らしたいというのが一番の希望でした。耐震にするのも大きな目的でした。そこで新築みたいになると聞いて、住友不動産の新築そっくりさんにお願いしました」

 屋上をなくし、部屋数を減らすなど、建坪を減らす“減築”を行った。スペースが減ったので、いらないものを思い切って整理し、家の中をすっきりさせた。

「家は小さくなったけど、暮らしやすく、心は広々した感じです。また新たな人生が始まったようで、日々が楽しいですね」

★ポイント1
キッチンや居間など、生活感があふれ、暗かった2階の部屋を、ひとつづきの広いスペースに。「この広さなら孫や子どもが来てもゆったり過ごせます」。正月やお盆などに集まるのが楽しみだとか

(撮影/門間新弥)
(撮影/門間新弥)

★ポイント2
ほとんど使われていなかった1階を居住スペースに。カウンターキッチンにしたことで、夫婦の会話が増えたという。「以前はキッチンが離れていたので、孤独な感じがしていましたが、今は寂しくないですね」

(撮影/門間新弥)
(撮影/門間新弥)

★ポイント3
奥さまの強い希望で、キッチンのカウンターを通常より低く、できるだけ幅広く、そして角を丸くしてもらった

(撮影/門間新弥)
(撮影/門間新弥)

★ポイント4
外観は見違えるほどの変わりよう。以前は屋上があり、そこから深刻な雨漏りがあった。また、道路側にあった急な階段を傾斜の緩いものに変えた。「今では私たちも小さな孫も安心して2階と行き来できます」

★ポイント5
子どもや孫たちの身長を記録した柱は取り外して玄関にシンボルのように配置した。この先も新たな家族の歴史が刻まれていく。「これは家族の宝物ですね」と慈しむように柱をなでながら話してくれた

(撮影/門間新弥)
(撮影/門間新弥)

(取材・文/本誌・鮎川哲也)

週刊朝日  2019年2月22日号