※写真はイメージです (GettyImages)
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 脳は長時間の活動が苦手で、16時間を超えると飲酒運転と同じくらい能力が低下するとされる。認知症などのリスクが高まるとも。脳を休ませる快眠には寝る前の簡単なストレッチが効果的だ。

【図で確認】宮崎さん(中部大学特任教授)が教える快眠ストレッチはこちら

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「ストレッチと体操をごっちゃにしている人が多いです」

 と話すのは、中部大学・生命健康科学研究所の宮崎総一郎特任教授。ストレッチは筋肉をゆっくり伸ばすが、体操はしっかり動かす。眠れない人が寝る前に体操をすると、逆に眠れなくなる。朝のラジオ体操のように、体操は目覚めのためにするものという。

 逆に、ストレッチは気持ちが沈静化するため眠くなる。宮崎さんは講演では聴衆が眠くならないように、ストレッチの実践をしないようにしているという。

 宮崎さんによると、快眠のため、寝る前の簡単なストレッチとして、数パターンある。ほとんどは1から20までゆっくり数えながら実践する。速く数えてやっても効果がない。できれば、「ひとーつ、ふたーつ」などと、息を長く吐きながら声に出してほしいという。

 宮崎さんが教える快眠ストレッチを紹介しよう。

 座ったまま、右腕を少し前に出して下げ、軽くひじを曲げ、右肩の外側を伸ばす(別掲1)。右肩の外側が伸びているのを感じながら20までゆっくり数える。次に、左側でも同様にする。

 胸の前側を伸ばすストレッチは、両腕を後ろ側に回す(別掲2)。胸の前側が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。

 次は、体の前で大木を抱えるように両腕を出し、背中を伸ばす(別掲3)。背中が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。

 首を少し真横の左側に傾け、右手を頭の上にのせる(別掲4)。ゆっくり20まで数える。逆向きでも同様にする。

 今度は、首を少し左前に傾け、右手を頭の上にのせる(別掲5)。首筋の後ろ右側が伸びているのを感じながら、ゆっくり20まで数える。逆向きでも同様に。宮崎さんは「しっかり伸ばす」のを意識して実践してほしいという。

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宮崎総一郎(中部大学特任教授)が教える快眠ストレッチの手順