だが、カズが「サッカーのことで言われるのは本当に幸せ。自分を人として成長させてもらえる。厳しいことを言ってもらえるだけ幸せです」と感謝の思いを語ったことで、張本氏の心情が変化。「カズにあっぱれ!辞めた方がいいと言われて、普通ならクレームをつける。それをさらりとかわして、先輩からの助言だと言ってくれる」と絶賛していた。

 今回の欧州移籍についても、張本氏は今月5日の同番組に出演した際、「一時は『もういいんじゃないか』と言ったことはあるけども、これを見るとね感心というか驚いてますよ。これだけ長くプレーする選手は、自分が納得するまでやるんだと、それで体が動くんだね。まだ動けるんだと、専門家が見てるからね。2部でも契約してくれるんですよ。ましてや外国に行ってプレーするなんていうのは、『あっぱれ!』まではやれないけどね、精神力が素晴らしい。ほめてやりたい」とエールを送っていた。

 前出のスポーツ紙記者は「カズは包容力があるんですよ。自分に批判的な意見にも耳を傾けるし、人の悪口を言わない。だから後輩に慕われるし、サッカーに取り組む姿勢がチームの良きお手本になる。ポルトガル語を話せるので、オリベイレンセでチームメートとのコミュニケーションは問題ないでしょう。年齢は離れていますが、気さくな性格なのでチームにもすぐに溶け込めると思います」と語る。

 今月26日に56歳の誕生日を迎える。キングカズは異国の地で走り続ける。(今川秀悟)