報道からすると、総裁選でまた安倍氏、麻生氏、二階氏らが暗躍しているらしいが、結局、総理の首をすげ替えたところで、この人たちが牛耳っているのだから、この国が変わるわけがない。変わるとしたら「携帯電話安くしました」くらいのことだろう。
物事の本質を正そうともせず、政権を放り出した安倍氏へご意見の伺いを立てるメディアって、あたしたちにどういう意味があるの?
政府もメディアも、たった2週間の祭りにうつつを抜かしている間に、その立場からやらなきゃいけないことはたくさんあった。この原稿を書いている9月5日時点で、コロナの自宅療養者数は、13万人を超えた。
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
※週刊朝日 2021年9月24日号