セコイねぇ!検査不正の三菱電機 社長2億円など高額報酬役員ずらり 株主代表訴訟の現実味  〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

セコイねぇ!検査不正の三菱電機 社長2億円など高額報酬役員ずらり 株主代表訴訟の現実味 

浅井秀樹週刊朝日#三菱電機
辞任表明した三菱電機の杉山武史社長=7月2日、東京都千代田区(C)朝日新聞社

辞任表明した三菱電機の杉山武史社長=7月2日、東京都千代田区(C)朝日新聞社

「株主代表訴訟が起きてもおかしくありません。不正行為のうえの利益で、『役員報酬を返せ』となっても不思議でない」。金融コンサルタントの高橋克英マリブジャパン代表が指摘するのは、30年以上にわたる検査データの偽装が発覚した三菱電機のことだ。

 家電や情報通信システムなどを手がける三菱グループの名門企業。検査不正は6月14日に社内で確認されたものの、会社が公表したのは株主総会の翌30日だった。

 経営トップの杉山武史社長は7月2日の記者会見で「多くの方々に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」と辞任を表明。「組織的な不正行為だったというのは認めざるを得ない」とした。

 検査不正は、長崎製作所(長崎県時津町)でつくられた鉄道車両用空調装置などであった。鉄道車両用空調装置は1985年から2020年にかけて約8万4600台が、ドアやブレーキに空気を供給する鉄道車両用空気圧縮機はここ15年間で約1500台が、それぞれ納入されていた。

 近年の三菱電機は“不祥事のデパート”だった。過労自殺などで社員が相次いで労災認定されたり、海外経由の不正アクセスで情報が流出したりと問題が頻発。杉山社長も「異なる性質の問題が立て続けに発生し、信頼を大きく毀損していることを厳粛に受け止め、責任を痛感している」と語った。

 業界売上高では、ソニーグループや日立製作所、パナソニックなどに劣る三菱電機。にもかかわらず、報酬1億円以上の役員が多いとされる。

 三菱電機の有価証券報告書によると、報酬1億円以上の役員は15年3月期が23人、16年3月期23人、17年3月期22人、18年3月期22人、19年3月期21人と20人超が続く。

 減収減益の決算となった20年3月期は、業績連動で1億円以上は社長のみだったが、21年3月期は7人に。ちなみに辞任表明した杉山社長の報酬は2億円にのぼる。

 東京商工リサーチが6月末にまとめた企業の役員報酬ランキング(21年3月期)では、1位が日立の15人、2位は三菱UFJフィナンシャル・グループの11人というように財界の主要企業が目立つものの、三菱電機はソニーなどと並び7位にランクインした。

 とくに三菱電機は「2年前までは日立より多く、当時で受け取る役員数がここまで多かった企業は例が少ない」(同リサーチ情報部の坂田芳博課長)というほどだ。

 前出の高橋さんは、日本の上場企業役員について「業績に対してあまりにも報酬が少なかった」としつつも、「悪い時は責任を問われます」ときっぱり。

「ニクイねぇ!三菱」などと、のんきにはいられない。

(本誌・浅井秀樹)

※週刊朝日2021年7月23日号


トップにもどる 週刊朝日記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい