『ソロエコノミーの襲来』などの著書があり、ソロ社会の消費行動を研究する独身研究家の荒川和久さんは、こうした動きについて「ソロ活ならば自動的に黙活になります」と話し、こう力説する。

「外食産業の人たちはこれまでも多くのソロ客に支えられてきたと気づいているはず。『Go To Eat』ならぬ『Go To SOLO』にすればいいのです」

 ソロ活市場の規模に関していえば「ソロキャンプ」人口の激増を指摘する。

「16年時点では人口比6%ぐらいでしたが、20年の調査では13%と2倍以上に増えているんです。ざっくりですが、現役世代(20~50代)の4割がソロ活好きなんです」

 SMBC日興証券が投資情報の提供を目的として作成している「週刊株式アウトルック」の今年2月5日号では、「感染防止意識で人気高まる『黙活』と『ソロ活』」を注目テーマとして取り上げ、以下のような分析をしている。

「ひとりで行動する『ソロ活』は新型コロナの発生以前から人気が高まっていた行動スタイル」「黙活(≒ソロ活)は人々に受け入れられる土壌ができていた」「新型コロナ感染防止意識の高まりと継続により、黙活やソロ活はさらに日常生活に浸透していくことになろう」

 調査会社の矢野経済研究所の「おひとりさま関連市場の動向調査」(2020年)では、「おひとりさまが市場の担い手となっている産業も数多く存在し、経済に与える影響も徐々に拡大している」「あらゆる業界で一人利用を対象としたサービスの提供も増えている」などと分析。「独身・一人暮らし以外の人に関しても一人で消費、行動する傾向が高まっているため、今後もおひとりさま市場は拡大していく」などと予測している。

 黙活が言われ始める以前から増えていたソロ活は、時代に乗ってドラマにもなっている。

 金曜深夜放送の「ソロ活女子のススメ」(テレビ東京系)は、江口のりこ扮する主人公の五月女恵が、一人で焼き肉店や水族館、動物園、ラブホテルなどを訪れ、ソロ活を存分に楽しむドラマだ。

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