全国ローカル線の岐路 コロナ&老朽化で「下から切るしかない」 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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全国ローカル線の岐路 コロナ&老朽化で「下から切るしかない」

浅井秀樹週刊朝日#鉄道
※写真はイメージです (GettyImages)

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「輸送密度」の低い主なJR路線 (週刊朝日2021年4月30日号より)

「輸送密度」の低い主なJR路線 (週刊朝日2021年4月30日号より)

「新たな利用状況では、これまでの『内部補助』によって成立してきたローカル線の維持が非常に難しくなっている」

【一覧表】「輸送密度」の低い主なJR路線は?

 JR西日本の長谷川一明社長が2月の定例会見で、コロナ禍の鉄道経営にこう踏み込んだ。

 内部補助とは、採算のとれないローカル線の損失分を、利用者の多い都市部の黒字路線などの利益で補填することだ。長年、赤字ローカル線を維持してきた“どんぶり勘定”が、限界に来ていることを意味していた。

 長谷川社長は、本社のスリム化など組織の構造改革を進めるとともに、赤字ローカル線の存廃問題について沿線自治体と話し合いを急ぐ考えも示した。

 JR各社の業績は、新型コロナの影響で苦しむ。

 2021年3月期の純損益では、JR東日本が4500億円の赤字に、JR西日本が2400億円の赤字に、JR九州が284億円の赤字に、それぞれ陥りそうだと見込む。JR北海道は20年9月中間決算で149億円の赤字、JR四国も同中間で53億円の赤字を計上した。

 冒頭のJR西日本のように、さらなる経営の効率化は避けられない。鉄道各社の懸案だった赤字ローカル線の存廃が、コロナ禍で具体的に動きそうだ。

 本誌編集部は、JR各社が公表している19年度の線区別の利用状況を集計。1日1キロ当たりの平均通過人数を示す「輸送密度」が、1千人に満たない区間を調査した。

 財団法人運輸調査局の研究員などを歴任し、鉄道経営に詳しい流通経済大学の板谷和也教授は、輸送密度が8千人以上であれば「黒字路線」、おおむね4千人以下は「赤字路線」の可能性が高いという。あくまで、土産や弁当販売といった他の収益を除いた場合だ。

 今回調査した区間は、4千人よりもさらに少ない1千人未満を抜粋しており、「赤字路線」であることが濃厚だ。

 輸送密度が100人にも満たないところは8区間あった。中国地方にある芸備線の東城~備後落合が11人で、輸送密度としては最小だった。只見線の会津川口~只見が27人、花輪線の荒屋新町~鹿角花輪が78人、陸羽東線の鳴子温泉~最上が79人、芸備線の備中神代~東城が81人、根室線の富良野~新得が82人、久留里線の久留里~上総亀山が85人、豊肥本線の宮地~豊後竹田が96人……と続いた。


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