自民党竹下派の竹下亘会長(C)朝日新聞社
自民党竹下派の竹下亘会長(C)朝日新聞社

 自民党竹下派会長、竹下亘衆院議員の発言が相次いで炎上している。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長に就任したばかりの橋本聖子氏に対し、セクハラ擁護発言をしたり、島根県の丸山達也知事の五輪発言に噛みつき、反発を招いているのだ。

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「橋本氏が会長になって、これからという時にいらんこと言って、何を考えているのか」

 自民党のベテラン議員はこうぼやく。

 竹下氏は2月18日の派閥会合後に橋本新会長のセクハラ問題についてコメントを求められ、「スケート界では男みたいな性格でハグなんて当たり前の世界だ」「それをセクハラと言われたらかわいそう。別にセクハラと思ってやっているわけではなく、当たり前の世界である」「理解してあげて」などと発言。

 竹下派の加藤勝信官房長官が翌19日の記者会見で「男女共同参画という観点から、いろんな疑問が出されている」と火消しに追われた。

 竹下氏は「男勝りと言いたかった」などと訂正したが、後の祭りだった。炎上はこれだけではない。

 竹下氏の地元、島根県の丸山知事はコロナ感染対策への不安から、オリンピックの聖火リレーの中止を検討すると語った。この件に触れ、「島根はコロナに一番遠いところにいる。何を言うんだ。一番遠いところが言い始めるのは、どうなのか」と丸山氏を非難。

 そして「私が知事を呼んでしっかり注意をしなくてはいけない」とまで言い放った。SNSでは国会議員が知事を注意するという趣旨の発言に「上から目線」とまたも大炎上した。

 五輪組織委員会会長だった森喜朗元首相は女性蔑視発言で辞任に追い込まれたばかりのところへ、竹下氏の「セクハラ擁護」「上から目線」発言と問題が相次ぎ、自民党幹部は頭を抱える。

「竹下氏は橋本氏を擁護するつもりで言ったのでしょうが、落ち着きつつあった森氏の発言まで再浮上してしまった。橋本氏はまた、ひとつ難題を抱えることになる」

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竹下派王国で丸山知事に敗北