※写真はイメージです (GettyImages)
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検査項目と「正常値」 (週刊朝日2021年2月26日号より)
検査項目と「正常値」 (週刊朝日2021年2月26日号より)
検査項目と「正常値」 (週刊朝日2021年2月26日号より)
検査項目と「正常値」 (週刊朝日2021年2月26日号より)

 コロナ禍で生活が変わり、血圧や血糖値などが気になるという人も多いのでは。ただ、健康診断などで示される「正常値」を絶対と考えるのは危険だ。コロナの自宅療養者に貸与される「パルスオキシメーター」についても注意する必要がある。

【一覧表】健診、人間ドックの検査項目と「正常値」 注意点と対策はこちら

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 新型コロナウイルスに感染し、自覚症状がないまま容体が急変して亡くなる事例が起きている。肺炎による酸素不足の異変を知るために、血中の酸素飽和度を測る機器「パルスオキシメーター」が自治体から自宅療養者に貸与されている。

 指を数秒間、機器に挟むだけで血液の酸素濃度を測定できる。厚生労働省の研究班が作成した「診療の手引き」によれば、96%以上は軽症、93%超~96%未満は中等症I、93%以下になると中等症IIで酸素投与が必要になる。

 操作が簡便ということもあって、感染者に限らずパルスオキシメーターを買い求める人が増えているという。インターネットの通販サイトを見ると、実に多くの商品が売られている。

 西武学園医学技術専門学校東京池袋校校長の中原英臣医師(感染症学)はこう語る。

「健康な人がコロナ対策で、普段から血中酸素飽和度を測る必要はまったくありません。心配ならば止めませんが、体温を毎日測る人はいないでしょう。ただし、陽性が判明して自宅もしくはホテル療養になった人たちにもっと早い時期からパルスオキシメーターの貸し出しをしていれば、こんなに死者は増えなかったと思います」

 コロナ禍がいっそう拍車をかけているが、日頃から健康不安を感じている人は多い。職場の健康診断や人間ドックなどで「血圧が高い」と言われ、血圧計を買って毎日欠かさずチェックしているという人もいるだろう。

 精神科医で老年内科医でもある和田秀樹・国際医療福祉大学大学院教授はこう指摘する。

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秦正理

秦正理

ニュース週刊誌「AERA」記者。増刊「甲子園」の編集を週刊朝日時代から長年担当中。高校野球、バスケットボール、五輪など、スポーツを中心に増刊の編集にも携わっています。

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