官房長官として長年、支えた安倍晋三前首相の「桜を見る会」疑惑について衆院予算委で野党から追及されると、「前首相が国会において答弁された内容について首相に確認し、答弁してきた」とポーカーフェイスで答えた菅義偉首相。
まるで「言われたことをいっただけ」と突き放したような言いぶりだった。だが、その疑惑がブーメランするように、菅首相の足元を脅かしている。
週刊ポスト(12月11日号)が菅首相も横浜のホテル開催されたパーティの収支が政治資金収支報告書に不記載になっていると報じた。問題になっているのは、地元支援者らを招いた「すが義偉 春の集い」だ。本誌も調査すると、同会は2012年、13年、14年、15年の4月に開催されていた。
菅首相の元秘書で、横浜市議の遊佐大輔議員のブログを見ると、14年の開催場所は横浜ロイヤルパークホテル、会費は1500円と案内を出していた。地元関係者らが2500人も参加したと見られている。
ところが、資金管理団体である「横浜政経懇話会」、「自民党神奈川第2選挙区支部」の政治資金収支報告書を見ても、この会合の記載がないのだ。2500人が参加し、1500円の会費となれば、375万円が集まったはずだ。
「こんな高級なホテルで1500円の会費なんて考えられない」
こう驚くのは神奈川に選挙区を持つ立憲民主党の後藤祐一衆議院議員だ。同ホテルは横浜のランドマークタワーの52階より上の高層階にある。横浜の海を臨む一等地にある。ここでパーティを開こうとしても立憲民主党では考えられないような金額がかかるという。
「春の集い」ではソフトドリンクやスナックなどが提供されたとされるが、場所代を含めると1500円は安すぎると言う。
「足りない分のお金は主催者が支払っているのではないか。それが菅事務所などとなると、寄付行為になる可能性がある。安倍さんと同じ問題になる」(後藤議員)