4年前の逆転劇の再現を狙うトランプ米大統領 (c)朝日新聞社
4年前の逆転劇の再現を狙うトランプ米大統領 (c)朝日新聞社

 世界の行方を左右する米大統領選(11月3日投開票)が最終盤に入った。世論調査ではトランプ大統領が劣勢だが、バイデン氏が勝利確実かというと、そうでもない。上智大学の前嶋和弘教授(米国政治)は言う。

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「野球に例えると、現在は8回が終わってバイデン氏が3点リードしている状況。トランプ氏に残された攻撃は1回しかありません。しかし、現在の米国は二極化していて、どんな候補者で大統領選をしても票が割れます。まだ、何が起こるかわかりません」

 そのことを示す調査がある。米大統領選では、「オハイオ州を制した者が大統領選で勝つ」というパターンがある。そのオハイオ州を対象とした米国のキニピアク大学の世論調査(10月14日発表)では、バイデン氏は1ポイントしかリードしていない。

「オハイオ州は有権者の構成が米国全体の縮図となっていて、大統領選はつねに激戦。トランプ陣営はバイデン陣営がコロナ対策を理由に控える戸別訪問を積極的に展開し、追い上げる戦略をとっています」(前嶋氏)

 オハイオ州を制した候補者は過去31回の大統領選のうち29回で勝利しており、このパターンは1964年以降破られていない。また、大票田のフロリダ州やペンシルベニア州などでもトランプ氏は逆転可能圏内にいる。国際ジャーナリストの春名幹男氏は言う。

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