田原総一朗「『緊張感なき政治』という安倍内閣の負の遺産」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「『緊張感なき政治』という安倍内閣の負の遺産」

連載「ギロン堂」

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田原総一朗週刊朝日#安倍政権#田原総一朗
ジャーナリストの田原総一朗氏(c)朝日新聞社

ジャーナリストの田原総一朗氏(c)朝日新聞社

イラスト/ウノ・カマキリ

イラスト/ウノ・カマキリ

 9安倍政権を継承する菅政権が誕生した。ジャーナリストの田原総一朗氏は、菅義偉首相が解決すべき難問として安倍内閣の負の遺産を書き示した。

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*  *  *
 9月14日の自民党総裁選で、菅義偉官房長官が総裁に選ばれた。

 この原稿を書いている時点では、二階俊博幹事長、森山裕国対委員長、佐藤勉総務会長、下村博文政調会長などが固まっているが、書店に並ぶときには全閣僚が定まっているはずである。

 菅首相に期待する最難問として、安倍内閣の負の遺産をあえて書き示しておきたい。

 安倍首相にはレガシーらしきものがない、と少なからぬメディアが強調している。だが、レガシーはある。

 まず、首相になるや最初に中国を訪ねて、胡錦濤国家主席と会談し、戦略的互恵関係を結んだ。前の小泉純一郎首相は、毎年靖国神社に参拝したので、日中関係は最悪だったのである。

 第2次安倍内閣では、大変な反対を押し切る形で安保法成立、つまり集団的自衛権の行使を限定的ではあるが認めることにした。

 実は、小泉内閣のとき、元外交官の岡崎久彦氏が私に「冷戦が終わって困ったことになった」と言ってきた。「東西冷戦で日本は西側の極東部分であり、米国は日本を守る責任があった。そこで岸内閣の新日米安保条約が成立したのです。だが、ソ連が敵ではなくなって、米国は日本を守る責任がなくなった。そして米国は、片務のままでは日米同盟は持続できないと強く言ってきている。かといって、日本は独自の安全保障は考えられない」

 そこで岡崎氏らと長く論議し、安倍首相は公明党と折衝して、限定的ではあるが、集団的自衛権の行使を認めたのである。これは専守防衛に反する、憲法違反だとする有識者が数多くいた。だが、強く反対するメディアの幹部たちと話をすると、多くが「実は認めざるを得ない」ということであった。これは安倍首相のレガシーである。

 ところで、小泉内閣以後、選挙制度が改正されたこともあって、いわゆる金権スキャンダルというものがほとんど起きなくなった。自民党の不祥事というのは、多くが金がらみであった。だから、私は自民党の不祥事にあまり関心がなくなっていたのである。これは私の大失敗である。


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