まず、河井被告夫妻から現金を渡されたが拒絶したという3人の名前をあげ、供述調書をとっていることを明かした。また、克行被告からカネをもらった1人がICレコーダーでその時の模様を録音していたとして、その内容も証拠として提出してきた。
また、克行被告がカネをバラまいた相手をパソコンでリスト化し、案里被告と共有していたが、昨年、週刊文春で疑惑が報じられた後、業者に依頼して消去したとも指摘した。検察の捜査で、消去されていないリストが「あんり参議院議員選挙19」というフォルダに残っていたこともわかり、印刷したリストを検察は押収しているという。
さらに、案里被告が昨年12月、県議の一人に対して「カネはもらっていない」と口裏合わせをするように求める電話をしていたとも暴露した。
公判中、克行被告は2、3回、案里被告の方に視線を向けていたが、2人が目を合わすことはなかった。
裁判は今後、12月までに55回の公判予定が決まっており、証人は120人ほどにものぼるという。公職選挙法違反の規定上は起訴から100日以内の判決を目指す「百日裁判」の対象だが、あまりに多くの証人や証拠調べで、判決は年明けになる見込みだ。
(本誌・今西憲之)
※週刊朝日オンライン限定記事