コロナ“疑い”で病院からすぐに火葬場へ…顔さえ見られない葬儀の実態 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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コロナ“疑い”で病院からすぐに火葬場へ…顔さえ見られない葬儀の実態

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鮎川哲也週刊朝日#新型コロナウイルス
新型コロナ陽性、ないしはコロナ疑いの遺体の引き取りの際、身に着ける防護服姿のたかほう葬祭のスタッフ (撮影/鮎川哲也)

新型コロナ陽性、ないしはコロナ疑いの遺体の引き取りの際、身に着ける防護服姿のたかほう葬祭のスタッフ (撮影/鮎川哲也)

新型コロナ、あるいは新型コロナ疑いで亡くなった場合 (週刊朝日2020年8月28日号より)

新型コロナ、あるいは新型コロナ疑いで亡くなった場合 (週刊朝日2020年8月28日号より)

 新型コロナウイルスの感染者が増えている。新型コロナの疑いで死亡した場合、“疑い”だとしても最期にお別れさえできないという。コロナ禍で葬儀や火葬は、どのように行われているのか。実態について取材した。

【図を見る】新型コロナ、あるいは新型コロナ疑いで亡くなった場合は?

*  *  *
「顔を見ることもできませんでした」

 3月29日に亡くなった志村けんさんの遺骨を抱いた兄の知之さんはそうつぶやいた。

 新型コロナウイルスで亡くなると、最期のお別れで顔を見ることさえできない。知之さんの無念さと悲しみの深さを思い知らされた。そして新型コロナの怖さを強く印象づけた。

 新型コロナ感染者数がピークだった4月、死者数は100人を超え、病院の対応は切迫していた。葬儀会社も同様だった。

「はじめは情報もなかったし、全くの手探り状態でした」

 そう話すのは、たかほう葬祭(東京都板橋区)で現場を仕切るセレモニープランナーの河原弘昌さん(58)だ。たかほう葬祭は、新型コロナの感染が拡大傾向にある2月下旬というかなり早い時期から新型コロナの疑いで亡くなった人の葬儀を受け付けてきた。

 ある日、病院から新型コロナの疑いで亡くなった人がいるので、対応してほしいという連絡が入った。どうしていいかわからなかったので、いつものように黒のスーツで出かけた。病院に着くと病室はシールドされ、病院関係者はみんな防護服を着ていた。未知の経験に驚きを隠せなかった。

「それからあらゆる方法で情報を集めました」

 新型コロナの疑いで亡くなった人を今後受け入れるか、否か。受け入れるならどうすべきかも検討した。

「自分たちも感染する可能性があるため、新型コロナの疑いのある遺体を受け入れるのはどうかという意見もありました。コロナ疑いの場合、断っている葬儀会社も多いとも聞きました」

 さらに、たかほう葬祭の浜島貴一社長(48)が対応の難しさを語る。

「実際に新型コロナで亡くなる人より、新型コロナの“疑い”で亡くなる人が多い。疑いであっても、新型コロナとしての対応をしなければならないため、葬儀会社も遺族も大変になるのです」


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