室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中
イラスト/小田原ドラゴン
イラスト/小田原ドラゴン

 作家・室井佑月氏は、新型コロナウイルスをめぐる安倍首相の対応や発言に苦言を呈する。

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 4月20日の共同通信によると、「全国の警察が4月中旬までの約1カ月間に取り扱った変死体のうち、埼玉、東京、神奈川、三重、兵庫5都県の計11人が、新型コロナウイルス感染を確認されていたことが20日、警察庁への取材で分かった」

 道で倒れて死んでいた人や、一人で自宅で亡くなった人らが、後からコロナに感染していたとわかったらしい。見つかった人が11人ってことだよね。しかも5都県の1カ月間の話だ。

 これってやっぱりPCR検査を制限したことに問題があるんじゃないの? 検査数を増やすと医療体制が崩壊するとか言い訳して。

 国も東京都も今になって慌てている感があるけど、東京五輪延期を決定した3月24日までは、感染者数を隠そうとしていたのではないか?

 東京五輪というたった2週間のお祭りより、この国で生きている人の命のことを考えてくれれば、ここまで酷(ひど)くはならなかったように思う。

 感染の疑いが少しでもある人はすぐに検査できるようにし、隔離施設にスムーズに入れるようにしておいたら、コロナの被害はここまでだっただろうか?

 このまま自粛が長引けば、この国の経済もズタボロだ。

 結局、国があたしたちのために使う費用をケチったため、その後、大変なことになりそうだ、という話である。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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