スマホ漬けの子ども ※写真はイメージです (c)朝日新聞社
スマホ漬けの子ども ※写真はイメージです (c)朝日新聞社
スマホ依存度チェックリスト (週刊朝日2020年5月1日号より)
スマホ依存度チェックリスト (週刊朝日2020年5月1日号より)

 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が発せられて2週間。学校は休校、店や施設も休業に入り、外出もままならない。子どもも大人もそしてお年寄りさえも、スマホやネット漬けという家庭も少なくないだろう。だが、スマホは、依存症や認知症を引き起こす「最凶の依存物」なのだ。

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「ママ、充電が切れたぁ」

 オンラインゲームに没頭していた7歳の娘が、バッテリーの切れたゲーム機を片手に、ドスンと背中に飛びついてきた。

 新型コロナウイルス対応の安倍晋三首相の緊急事態宣言を受け、小学校5年生と1年生の娘が通う地元の公立小学校は、1カ月半以上休みが続いている。塾も習い事も休止が続く。

 和枝さんは自宅でテレワークをしているが、10分おきに子ども2人が話しかけてくる状態では、集中できずいらだちが募る。

「スマホでYouTubeの動画や、オンラインでのゲームやアニメ番組もすべて解禁です。見放題にさせて、静かにしてもらっています」

 子どもに怒鳴るよりマシ、と割り切った。

 この小さな「魔法の箱」。大人にとっても、これほど便利なものはない。

 先日、こんな場面に出くわしたことがある。

 祖母と思しき初老の女性が、自転車の幼児座席に乗った3歳ほどの男の子にスマホを黙って渡した。

 なんの気なしに眺めていると、女性はひとりで郵便局に入り、ATMの列に並んだ。

 男の子は、スマホ画面に熱中しておとなしく幼児座席に座っている。だが自転車の30センチ先を、トラックがビュンビュン通りすぎてゆく。慌てて郵便局の職員に声をかけたが、スマホを子守代わりに赤ちゃんや子どもに与えるのは、いまや見慣れた光景だ。

 新型コロナの感染拡大を受けて、学校や塾もスマホやタブレットを使ったオンライン学習を強化している。親はもちろん祖父母世代も、「これからはITとプログラミングの時代だから、IT機器には慣れたほうがいいでしょう」と、警戒感もないまま幼児や子どもに与えているのが現状だ。

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