“ハロウィーン”逮捕も弱点あり…「顔認証システム」の実力と盲点 (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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“ハロウィーン”逮捕も弱点あり…「顔認証システム」の実力と盲点

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顔認証システムを活用した実験の様子 (c)朝日新聞社

顔認証システムを活用した実験の様子 (c)朝日新聞社

東京五輪で使用されるNECの顔認証システム (c)朝日新聞社

東京五輪で使用されるNECの顔認証システム (c)朝日新聞社

 昨年10月のハロウィーン直前、東京・渋谷センター街で軽トラックを横転させ、4人が逮捕、10人が書類送検された事件の決め手は、顔認証システム。警視庁が会議室にいながら4万人の群衆から容疑者を特定したこの技術は、東京五輪でも活用される。ジャーナリストの桐島瞬氏が、そのすごさと盲点を調べた。

【写真】東京五輪で使用されるNECの顔認証システム

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 軽トラ横転事件では当初、男4人が逮捕され、うち2人が略式起訴。さらに今年1月、新たに10人が暴力行為等処罰法違反の疑いで書類送検された。3人の外国人が含まれ、中には東大の留学生もいた。

『警視庁科学捜査最前線』(新潮社)の著者でもあるジャーナリストの今井良氏は、警視庁の威信をかけた捜査だったと話す。

「昨年末には平成最後の年越しのカウントダウンが控え、来年は東京五輪がある。警視庁は暴動が起きないようにするためにも、危険なことをすれば我々は決して見逃さないという姿勢を示したと言えます」

 捜査員は約4万人の群衆の中から犯人を一人ひとり突き止めていった。その手法は事件現場とその周辺の動画を集め、照合していく方法だった。

「まず犯行現場の動画を押さえます。コンビニや警察の防犯カメラはもちろん、ネットにも軽トラを横転させる動画が拡散していた。そこから容疑者の顔を画像として切り取り、顔認証システムを使って警察が持っている犯罪歴や免許証などのデータとマッチングさせるのです」(今井氏)

 顔認証とは、動画などに映った顔を、あらかじめ登録した顔画像データベースと照合して本人確認を行うシステム。警視庁には、防犯カメラ画像の解析や顔照合などを行う「SSBC」と呼ばれる専門部隊が置かれている。ここの顔認証システムを使えば、大型コンピューターを通じて照合はほんの数秒で終わる。

 ハイテク機器で容疑者の身元を特定した後は、自宅までの経路にある防犯カメラ映像を追い、犯行当日の足取りをつなぎ合わせる地道な作業も必要。だが、一旦防犯カメラの前に顔をさらせば、顔認証システムを使って身元の特定がいとも簡単にできてしまうのだ。「SSBCの捜査員は『いまや会議室にいながら犯人の足跡がはっきりわかる』と自信を持っています。顔認証システムなどを使った捜査支援分析システムを導入するのは警視庁だけではありません。全国の警察に広がりつつあります」(同)

 そのせいか最近では、犯罪者も防犯カメラに映らないよう研究したり、カメラが多く設置されている都会を避けて犯行に及ぶようになってきているという。


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